こんにちは!守護者(センチネル)、シェミハザです。10月12日から17日までの1週間を振り返ります。
この1週間の「ネット安全」— 5つの止まる場所
10/12 SNS広告の「無料体験」|パーソナルトレーニングの相談は2025年度に1,457件、「今日だけ」でも持ち帰る
国民生活センターが2026年10月7日に公表した注意喚起が題材です。パーソナルトレーニングの契約トラブルで、相談は2025年度に1,457件でした。痩身エステなど、関連の商品やサービスまで勧められて高額になる事例が載っています。
トレーニング自体を否定する話ではなく、問題になっているのは契約のしかたです(当サイトの補足)。
だから、「今日契約すれば割引」と言われても、その場で決めず、いったん持ち帰ってください。総額、期間、自動更新、中途解約の精算を確かめてからにします。迷ったら消費者ホットライン 188 です。
10/14 身に覚えのない入金|電話で「返して」と言われても、返金も転送もしない
この手口そのものを述べた公的な注意喚起は、警察庁・金融庁・国民生活センター・主要な銀行のページを調べた範囲では、見つかりませんでした。だから記事は、確認できたことと、できなかったことを分けて書いています。確認できたのは、警察庁が2026年7月10日から、他人のお金を別の口座へ送らせる「送金犯罪」の罰則を始めたことと、ゆうちょ銀行が、口座凍結を口実に電話で送金を求める電話への注意を出していることです。
だから、身に覚えのない入金には手をつけず、電話の相手の指示で返金も転送もしないでください。取引銀行へは、通帳やカードにある番号で、自分から連絡します。
10/15 偽メール|「お支払方法をご確認ください」のリンクは押さない
警察庁が2026年10月15日に出した、サイバー警察局便りVol.20「フィッシングメールに注意!」が題材です。警察庁は、流出したメールアドレスに対する偽メールで、更なる情報流出や金銭的被害につながるおそれがあると書き、3つの対策(リンクを安易にクリックしない、ID・パスワードを使い回さない、パスキーなどの多要素認証を使う)を示しました。同じ日には、マイクロソフトやJC3と連携した、フィッシングの犯罪インフラのテイクダウンも発表しています(10月6日に提訴、8日に裁判所の命令)。
このテイクダウンで日本に届く偽メールが減るのかは、警察庁の資料に書かれていません。
だから、メールのリンクは押さず、ブックマークか公式アプリから自分で開いてください。
10/16 封書のQRコード|「警視庁遺失物センター」名義のニセ封筒
警視庁が2026年10月8日に、公式Xで出した注意喚起が題材です。「警視庁遺失物センター」をかたる封書で、QRコードを読み込ませてニセサイトへ誘導し、マイナンバー等の個人情報を入力させる手口だと説明しています。見分け方は2点で、本物は切手が貼ってあること、問い合わせ先に携帯電話番号を書かないことです。
何通届いたか、被害があったかは、警視庁の投稿に書かれていません。
だから、封書のQRコードは読み込まず、書かれた番号にもかけず、最寄りの警察署に相談してください。迷うときは #9110 です。
10/17 ニセ社長詐欺|「LINEグループを作ってQRコードを返信して」には従わない
警察庁が2026年9月10日に公表した、令和8年上半期のサイバー空間の脅威情勢のレポートが題材です。ニセ社長詐欺は、令和8年1〜6月に127件、被害額は約38億8,000万円で、既遂1件当たり約3,100万円とされています。メールは、ネットで公開されている会社のメールアドレスに届きます。
狙われた会社の業種や規模、犯人が社長名を入手した方法は、公表資料に書かれていません。
だから、メールに返信せず、グループも作らず、社長本人に電話など別の方法で確かめてください。
エンジニア向け:この1週間のセキュリティアラート(10月19日時点の続報つき)
5件を扱いました。CISAのKEV(悪用が確認された脆弱性のカタログ)に載っているのは、Windows・Cisco・PAN-OSの3件で、Movable TypeとApacheは載っていません(2026年10月16日版のカタログで、記事に出てきたCVEをすべて確認しました)。NVDに載るCISAの評価(SSVC)でも、3件は悪用状況が「active」、Movable TypeとApacheは「none」でした(2026年10月19日に取り直し)。
ただし、KEVに載っていないことは、悪用されていない証拠ではありません。また、各製品の修正版や緩和策は、この記事では取り直していません。対処は、それぞれの記事を確認してください。
【緊急】Movable Type CVE-2026-96408(CVSS v4.0: 9.3 CRITICAL・JPCERT/CC評価)— KEV未掲載、NVDは解析待ち
10月12日の記事から変わったのは、NVDの状態の確認です。10月19日に取り直すと、NVDは「Awaiting Analysis(解析待ち)」のままで、NIST自身の評価は付いていません。記事に表示したv4.0の9.3は、JPCERT/CCがNVDに載せた値です。CISAの評価は、悪用状況がnone(確認なし)、自動化がyes、技術的影響がtotal(全面的)です。
対処は変わりません。9.3.0/9.0.10/8.8.6/8.0.13へ更新し、できなければ公式の緩和策で mt-upgrade.cgi・mt-search.cgi・mt-ftsearch.cgi を止めます。
【緊急】Apache HTTP Server CVE-2026-57941 ほか計20件(CVSS v3.1: 9.8・CISA評価、Apache自身は「中」)— KEV未掲載
KEVには、10月16日版のカタログにも載っていません。NVDの状態は「Analyzed(分析済み)」で、CVE-2026-57941・56154・59797の3件に、CISAがCVSS v3.1の9.8(CRITICAL)を付けています。CISAの評価は、悪用状況がnone(確認なし)、自動化がyesです。Apache自身は、20件を「中」5件・「低」15件と評価しています(10月13日の記事のとおり)。
対処は変わりません。2.4.68以前は2.4.69へ更新し、OS付属のApacheは版番号ではなく、ディストリビューションの修正状況で確認します。
【緊急】Windows CVE-2026-96951(CVSS v3.1: 8.8 HIGH・Microsoft評価)— 悪用確認済み、NVDは「解析中」から「分析済み」へ
10月14日の記事は、NVDの状態を「解析中(Undergoing Analysis)」と書きました。10月19日に取り直すと「Analyzed(分析済み)」で、最終更新は10月16日です。CVSS v3.1の8.8は、引き続きMicrosoftが付けた値です。KEVには10月13日に追加されたままで、CISAの評価は、悪用状況がactive、自動化がno、技術的影響がtotalです。
対処は変わりません。Windows Updateで10月の更新プログラムを適用し、メールやチャットで届いたファイルは、開く前に送り主へ別の方法で確認します。
【緊急】Cisco Secure Email Gateway CVE-2026-76519(CVSS v3.1: 9.8 CRITICAL・Cisco評価)— 悪用確認済み、NVDは分析済み
KEVには10月14日に追加されたままです。NVDは10月15日の更新で「Analyzed(分析済み)」になっています。CVSS v3.1の9.8はCiscoが付けた値で、CISAの評価は、悪用状況がactive、自動化がyes、技術的影響がtotalです。
対処は変わりません。Content Scanner Toolsを25.3.0.5525以降へ更新します。回避策はありません。
【緊急】Palo Alto Networks PAN-OS CVE-2026-0322(CVSS v4.0: 8.6 HIGH・Palo Alto評価)— 悪用確認済み、NISTはv3.1で7.2
KEVには10月14日に追加されたままで、NVDは10月15日に「Analyzed(分析済み)」になりました。記事に表示したv4.0の8.6は、採番元のPalo Alto Networksの値で、NIST自身はCVSS v3.1で7.2(HIGH)を付けています。版が違うので、数字が違っても矛盾ではありません。CISAの評価は、悪用状況がactive、自動化がno、技術的影響がtotalです。
対処は変わりません。管理インターフェースを信頼できる内部IPだけに絞り、自分のバージョンに合う修正版へ更新します。
今回の見破りクイズ — 力試し4問
この1週間の記事を読んでいれば見破れるはずです。前半2問はご家族と、後半2問は仕事仲間と一緒にどうぞ。
📦この1週間の記事一覧
- 【社長から「LINEグループを作って」とメールが届いたら】QRコードを返さず、電話で本人に確かめる|ニセ社長詐欺は半年で127件・約38億8,000万円(警察庁)↗
- 【「警視庁遺失物センター」の封書にQRコードがあったら】読み込まず最寄りの警察署へ|警視庁が10月8日に注意喚起、本物には切手があり、問い合わせ先に携帯電話番号は書かない↗
- 【緊急】Palo Alto Networks PAN-OS CVE-2026-0322:管理画面の認証済みRCEでroot権限を取られる(CVSS v4.0 8.6)— 悪用確認済み、修正版へ更新し管理インターフェースをインターネットに出さない↗
- 【偽メールの「お支払方法をご確認ください」】警察庁が10月15日に注意喚起|リンクを押さない・使い回さない・パスキーで防ぐ、同日にはフィッシングの犯罪インフラの封じ込めも発表↗
- 【緊急】Cisco Secure Email Gateway CVE-2026-76519:Content Scanner Tools 25.3.0.5525以降へ更新(CVSS v3.1 9.8)— 添付ファイル付きメールを通すだけでroot権限を奪われ、悪用も確認済み↗
- 【身に覚えのない入金があったら】電話で「返して」と言われても、返金も転送もしない|警察庁が7月10日に罰則化した「送金犯罪」と、公的資料で確認できたこと・できなかったこと↗
- 【緊急】Windows CVE-2026-96951:悪用が確認された「ネット由来ファイルの目印(MOTW)」の保護の回避(CVSS v3.1 8.8)— 10月の更新プログラムを適用、届いたファイルは安易に開かない↗
- 【緊急】Apache HTTP Server CVE-2026-57941 ほか計20件:2.4.69で修正(CVSS 9.8、Apache自身の評価は「中」)— 2.4.68以前は更新を↗
- 【SNS広告の「無料体験」に行く前に】パーソナルトレーニングの契約トラブル、相談は2025年度に1,457件|国民生活センターが10月7日に公表、「今日だけ」でも持ち帰る↗
- 【緊急】Movable Type CVE-2026-96408:認証なしでRCE・SQL実行(CVSS v4.0 9.3)— 9.3.0/9.0.10/8.8.6/8.0.13へ更新、できなければ mt-upgrade.cgi などを遮断↗
家族に送るならこの3行
- ▸「今日だけ」「返して」「リンクを押して」「QRコードを返信して」と言われたら、その場で一度止まって。今週扱った5つの手口は、どれも止まる場所が1つに決まっていました。
- ▸封書のQRコードも、メールのリンクも、使わず、自分で公式を開いて確かめて。警視庁は、封書には必ず切手が貼ってあり、問い合わせ先に携帯電話番号は書かない、と呼びかけています。
- ▸迷ったら、相手が教えた番号ではなく自分から相談して。警察相談専用電話 #9110、お金の支払いや契約のことは消費者ホットライン 188(局番なし)へ。(#9110、188は日本国内の番号です)
困ったときは
「しまった!」と思ったら、落ち着いて順番に対処すれば大丈夫です。恥ずかしいことではありません。
お金を払ってしまった・請求で困っている → 消費者ホットライン 188(局番なし)
詐欺や犯罪かもしれない・相談先が分からない → 警察相談専用電話 #9110
アカウントを乗っ取られた・怪しいものを開いてしまった → 下の「被害別・緊急対応ガイド」に症状別の手順があります。
- 被害別・緊急対応ガイド(当サイト・症状別の初動6種)↗
- 警察庁:警察相談専用電話 #9110(都道府県警察の相談窓口一覧)↗
- 国民生活センター:全国の消費生活センター等(消費者ホットライン 188)↗
- 警察庁:サイバー事案の通報先↗
- 国民生活センター:パーソナルトレーニングに関する契約トラブル-痩身エステ等、関連商品・サービスも勧誘されて高額に!?-(2026年10月7日公表。相談件数・事例・助言)↗
- 警察庁:令和8年犯罪収益移転防止法の改正について(2026年6月10日公布。口座の不正譲渡の罰則引上げと「送金犯罪」の罰則創設は7月10日施行)↗
- 警察庁:サイバー警察局便り R8 Vol.20「フィッシングメールに注意!」(PDF・2026年10月15日/偽メールの例と3つの対策)↗
- 警視庁匿名・流動型犯罪グループ対策本部(公式X):「『警視庁遺失物センター』をかたる封書に注意!」(2026年10月8日の投稿。ニセ封筒・ニセ通知書の画像つき)↗
- 警察庁:令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(2026年9月10日公表。「ニセ社長詐欺」のコラム、21頁)↗
