SNSやオンラインゲームで知り合った相手によって被害に遭った子どもは、2025年(令和7年)の1年間で1,566人でした。警察庁が公表した確定値で、前年の1,486人から80人(5.4%)増えています。中学生が758人で約半数(48.4%)、小学生も167人で、前年より31人(22.8%)増えました。この記事は、親が子どもに先に伝えておけることを、警察庁の数字からまとめます。
数字の読み方:この統計の「SNS」は、通信ゲームを含み、届出のある出会い系サイトを除いたものです。「SNSに起因する事犯」は、SNSを通じて面識のない相手と子どもが知り合い、交際や知人関係に発展する前に被害に遭った事犯を指します。対象は、児童買春・児童ポルノ禁止法違反、青少年保護育成条例違反、重要犯罪等などです。この数字は、検挙された事件の被害児童の数で、被害に遭った子ども全体ではありません。
警察庁の数字(令和7年・確定値)
- ▸被害児童:1,566人。前年は1,486人。学職別では、小学生167人(10.7%)、中学生758人(48.4%)、高校生579人(37.0%)、その他62人。小学生は前年より31人(22.8%)増えました
- ▸使われた機器:スマートフォンが1,529人(97.6%)。スマートフォン以外は37人です
- ▸フィルタリング:利用の有無が分かった771人のうち、「利用なし」が688人(89.2%)でした
- ▸最初に投稿した者:被害児童が1,162人(74.2%)、被疑者が239人(15.3%)。被害に遭った子ども自身の投稿が、きっかけの約4分の3です
- ▸重い犯罪の被害(重要犯罪等):598人。前年の458人から140人増えました。殺人、強盗、不同意性交等、略取誘拐、不同意わいせつなどが含まれます
「危ない投稿」だけが狙われるわけではない
警察庁は、被害児童が最初に投稿した1,162人の投稿内容も公表しています。目を引くのは、ごく普通の投稿が多いことです。
- ▸プロフィールのみ:210人(18.1%)
- ▸日常生活:173人(14.9%)
- ▸趣味・嗜好:131人(11.3%)
- ▸友達募集:129人(11.1%)
- ▸援助交際募集150人(12.9%)、出会い目的87人(7.5%)、自画撮り69人(5.9%)、家出30人(2.6%)、悩み相談17人(1.5%)、ゲーム配信4人(0.3%)、不明・その他162人(13.9%)
プロフィール、日常、趣味、友達募集の4つを合わせると643人で、約55%(55.3%)です。「変な投稿をしなければ大丈夫」とは言えない、ということです。プロフィールを載せているだけで、見知らぬ相手から連絡が来る場合があります。
「自分の裸の画像を送らされる」被害
警察庁は、児童がSNSなどで知り合った面識のない相手に、脅されたり、言葉巧みにだまされたりして、自分の裸を撮影して送る形の被害が増加傾向にあると案内しています。警察庁の令和7年の確定値では、児童ポルノ事犯の被害児童1,273人のうち、この「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」が515人(40.5%)で、前年の462人から53人(11.5%)増えました。中学生が283人で、そのうち55.0%です。
警察庁は、画像は一度流出すると回収が困難だとして、「他人に個人情報を流さない」「下着姿や裸の写真は撮らない、送らない」ことを求めています。また、オンラインゲームの中で知り合った相手に誘い出され、重要犯罪に巻き込まれる事案もあると注意喚起しています。
手口の流れと、止められる場所
- ▸① つながる:子どもの投稿や、ゲーム内のやりとりをきっかけに、知らない相手とつながる
- ▸② だます・脅す:言葉巧みにだましたり、脅したりして、子どもを動かそうとする(警察庁の説明)
- ▸③ 送らされる・誘い出される:自分の裸の画像を撮って送らされる。オンラインゲームから誘い出される事案もある
- ▸④ 取り返しがつきにくい:画像は一度流出すると、回収が困難になる
親が今日できること
- ✓★「裸や下着姿の写真は、撮らない、送らない」を、子どもと一緒に言葉にして約束する。警察庁が求めている行動です。「脅されても、送らない」まで先に伝えておきます
- ✓★「困ったら、怒られずに相談していい」と、先に伝える。被害が分かる前の声かけが、いちばん効きます(当サイトの考えで、警察庁が示した手順ではありません)
- ✓フィルタリングとペアレンタルコントロールを確認する。警察庁は、どちらも活用するよう案内しています。分かった被害児童の約9割(89.2%)は、フィルタリングを使っていませんでした
- ✓子どものSNSやゲームのプロフィール、公開範囲を、一緒に見る。プロフィールだけの投稿からも被害が出ています。顔写真、学校名、居場所が分かる情報は載せません
- ✓「会おう」と誘われたら、会う前に必ず親に話す、と決めておく。知り合いの友達ではなく、ゲームやSNSで知り合っただけの相手の場合は、特にそうします
- ✓起きてしまったら、責めずに話を聞き、相手とのやりとりの画面を残して、警察に相談する。相談先は下の「相談先」にまとめています(当サイトの一般的な助言です)
相談先
詐欺や被害かもしれないと思った段階では、警察相談専用電話 #9110(緊急でない相談)へ。今まさに脅されている、命や安全が危ないなど、急を要するときは110番です。性犯罪の被害の相談には、警察の性犯罪被害相談電話#8103(ハートさん)があります。お金を払ってしまった、契約させられたという相談は、消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターにつながります)。なお、ここに載せた番号は、日本国内の窓口です。
家族に送るならこの3行
- ▸SNSやゲームで知り合った相手で被害に遭った子どもは、2025年に1,566人(警察庁の確定値)。中学生が約半数。プロフィールや日常の投稿だけの子も多い
- ▸★「裸や下着姿の写真は撮らない・送らない。脅されても送らない。困ったら怒られずに相談していい」を、先に子どもに伝える。フィルタリングも確認
- ▸もし起きたら、責めずに聞いて、画面を残し、#9110か警察署へ。急ぐときは110。お金の相談は188
確認できなかったこと
- ▸令和8年(今年)の数字。確認できた最新の確定値は令和7年分です。今年の上半期の数字は、確認できた資料にありませんでした
- ▸被害に遭わなかった子どもを含む、実際の接触の件数。この統計は、検挙された事件の被害児童の数です
- ▸個々のSNSやゲームの安全設定の手順。機種やアプリで異なるため、この記事では書きません。警察庁の啓発ページと、各サービスの案内を確認してください
