こんにちは!守護者(センチネル)、シェミハザです。
今日は、宅配業者を名乗る「不在でした」のSMSと、「+」で始まる番号から来る自動音声の電話です。
結論は、SMSのURLは押さず、荷物の確認は公式アプリや通販サイトの注文履歴でやること。自動音声の電話は、「1を押して」と言われても押さずに切ることです。
今日の実例です。ヤマトホールディングスは2026年8月14日付の「重要なお知らせ」で、ヤマト運輸を装った自動音声電話や肉声の電話に関する問い合わせが多数寄せられているとして、不審な電話は「すぐに電話を切る」よう呼びかけています。フィッシング対策協議会が10月19日に公表した9月の月次報告でも、SMSから誘導するフィッシング(スミッシング)の報告数は減っているものの、宅配業者をかたる文面の報告を9月も受けていると書かれています。
先に、数字の読み方を書きます。協議会の9月の報告件数は94,661件(前月より12,323件、約15.0%増)ですが、これはメールやSMSなどを合わせたフィッシング全体の数字で、宅配業者をかたるSMSだけの件数ではありません。協議会はSMS分を「減少」と書いていて、宅配業者のSMSが何件だったかは、報告書からは分かりません。この記事の中心は件数ではなく、宅配3社が公式に「こういう連絡はしない」と説明していることです。
偽SMSと偽電話の流れ
- ▸①不安をあおる連絡が来る:「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。配送物は下記よりご確認ください。」のようなSMS(IPAが紹介している文面)、または「+」で始まる番号からの自動音声です。ネットで買い物をした直後だと、つい信じてしまいます
- ▸②偽サイトか、偽オペレーターにつなぐ:URLを押すと、本物そっくりの偽サイトが開きます。電話では「配達中の荷物についてお伺いしたいことがあります。オペレーターにお繋ぎしますので『1』を押してください」と案内され、押すと偽のオペレーターに切り替わります(ヤマトホールディングス)
- ▸③情報や支払いを求める:偽サイトでは、IDとパスワード、カード情報、認証コードなどを入力させます。Androidでは、不正なアプリを入れさせる手口もあります(IPA)。電話では、個人情報を聞き出し、電子マネーでの支払いや銀行口座への振り込みを要求します(ヤマトホールディングス)
- ▸④被害が広がる:不正なアプリを入れると、自分のスマホから同じ内容のSMSが見知らぬ宛先へ大量に送られます(IPA)。警察庁にも、荷物追跡のアプリを入れたら知らない間に連絡先へ大量のSMSが送られていた、という相談事例が載っています。被害者が、次の加害の道具にされます
宅配3社が公式に説明していること
- ▸佐川急便:「SMS(ショートメール)によるご連絡は行っておりません。URLをクリックせずに削除ください」と、よくあるご質問に書いています
- ▸ヤマト運輸:2025年8月26日付のお知らせで、「住所不明のため配達できない」等の住所確認、受け取り日時の変更や再配達の依頼に関する請求、「ショートメールによるご不在連絡やお届け予定のお知らせ」は、メールやショートメールでは送らないと書いています
- ▸ヤマト運輸(電話):2026年8月14日付のお知らせで、「+」で始まる国際番号の自動音声で荷物や料金の連絡をすることは一切ない、荷物の確認のために指定場所に来るよう案内することも、生年月日や口座番号を確認することも一切ないと書いています
- ▸日本郵便:日本郵政グループのお知らせに、「ショートメールによるご不在連絡のお知らせは行っておらず」とあります。ただし日本郵便の別の注意喚起ページは、不審なメールの特徴の一覧から、(株)郵便局物販サービス社が不在時に送るSMSを除外しています。日本郵便の名前のSMSは、文面だけで本物と偽物を分けられない場合があります
だから、見分けようとせず、URLを押さない。これがいちばん確実です。荷物が本当に届いているかは、各社の公式アプリや公式サイト、通販サイトの注文履歴で確かめられます。
SMSや電話が来たとき
- ✓★SMSのURLは押さずに、削除する。荷物が気になるときは、公式アプリ、ブックマークした公式サイト、通販サイトの注文履歴から確認します(各社の説明にもとづく当サイトの案内)
- ✓急がせる文面は、偽物を疑う。日本郵便の注意喚起は、「○○時間以内に支払わない場合は配送がキャンセルされる」のような不安をあおる文言を例に挙げています。ヤマトも、住所確認や再配達の料金請求は送らないと書いています
- ✓「+」で始まる番号の自動音声は、その場で切る。「1を押してください」と言われても押しません。かけ直しもしません
- ✓肉声の電話でも、「荷物に違法物が入っている」「指定の場所に来てください」と言われたら切る。ヤマトは、どちらも案内することはないと書いています
- ✓社名の一致では判断しない。偽の不在通知は、佐川急便・日本郵便・ヤマト運輸のどの名前でも確認されています(IPA)
- ✓迷ったら、SMSや電話に書かれた番号ではなく、公式サイトに載っている窓口へ。警察相談専用電話 #9110 も使えます
押してしまった・入力してしまったら
- ▸URLを開いただけ:何も入力せずに閉じます。ヤマトは、万が一クリックしてしまっても、クレジットカード情報などの入力を求められたら絶対に入力しないよう案内しています
- ▸IDとパスワードを入力した:すぐにパスワードを変更します。同じIDを他のサービスでも使っているなら、そちらも確認して変更します(フィッシング対策協議会)
- ▸カード情報を入力した:すぐにカード会社の紛失・盗難窓口へ連絡し、利用停止と、必要に応じて再発行を手続きします(フィッシング対策協議会)
- ▸Androidでアプリを入れた:スマホを機内モード(Wi-Fiもオフ)にして、設定アプリのアプリ一覧から不正アプリを探してアンインストールします。アプリはホーム画面に出ません。IPAは、その後の初期化も勧めています。初期化するとSMSが消えるので、キャリア決済の請求の確認などは、先に済ませます(IPA)
- ▸電話で個人情報を伝えた・お金を払った:すぐに警察へ。迷うときは #9110。契約や請求の相談は、消費者ホットライン 188 です
今日できること
- ✓★荷物の確認は、SMSのURLからではなく、公式アプリか注文履歴から、と決めておく。
- ✓離れて暮らす親に、「不在のSMSは押さない、+の自動音声は切る」と伝える。下の3行をそのまま送れます
- ✓判断に迷う不審なSMSは、フィッシング対策協議会へ報告できる(info@antiphishing.jp。協議会の9月の報告に書かれている窓口です)
- ✓カード会社や通販サイトにログインするときは、メール・SMSのリンクからではなく、正規のアプリやパスワードマネージャーから。(フィッシング対策協議会の9月の報告が、ログインを促すメールやSMSを受け取ったときの対処として案内しています)
見破りクイズ
こんな場面を想像してください。夜、スマホにSMSが届きました。「お荷物をお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました。再配達のご依頼はこちら」とあり、URLがついています。ちょうど、ネットで買い物をしたところです。
家族に送るならこの3行
- ▸「不在でした」のSMSは、URLを押さない。荷物は、公式アプリや通販サイトの注文履歴で確認する(佐川・ヤマト・日本郵便の説明)
- ▸★「+」で始まる番号の自動音声は、「1を押して」と言われても押さずに切る。お金や個人情報の話が出たら詐欺。迷ったら #9110
- ▸押してしまっても、カード番号やパスワードは入力しない。入力したら、カード会社とパスワードの変更へ。契約や請求の相談は 188
相談先
これは詐欺かどうか迷うとき、お金を払ってしまったときは、最寄りの警察署、または警察相談専用電話 #9110 へ。契約や請求の相談は、消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターにつながります)です。カード情報を入れたときは、カード会社の紛失・盗難窓口、スマホにアプリを入れたときは、契約している携帯電話会社にも相談できます。
確認できなかったこと
- ▸宅配業者をかたるSMSだけの最新の件数。協議会の9月の報告は、SMS分を「減少」としか書いていません
- ▸今月、どの会社名の偽SMSが多いか。9月の報告に会社名ごとの内訳は載っていません
- ▸ヤマトが8月14日に注意した電話が、今も続いているか。お知らせは8月14日付で、その後の状況は確認していません
- ▸日本郵便の例外のSMS。(株)郵便局物販サービス社が不在時に送るSMSの文面やURLの形は、確認していません
- ▸佐川急便の認証コードのSMS。会員向けサービスの2段階認証コードは、メールやSMSで届くことがあります(佐川急便のよくあるご質問)。「不在連絡のSMSはない」という意味で、認証コードのSMSまで偽物という意味ではありません
- ▸お使いの機種ごとの細かい操作。アプリのアンインストールや初期化は、IPAの2020年の資料(2021年12月に追記)によります。画面の名称は機種で違います
根拠にしたページ
- フィッシング対策協議会:2026年9月 フィッシング報告状況(2026年10月19日公開)↗
- ヤマトホールディングス:ヤマト運輸を装った「不審な電話」にご注意ください(2026年8月14日)↗
- ヤマトホールディングス:ヤマト運輸の名前を装った「迷惑メール」が多発しています(2025年8月26日)↗
- 佐川急便:よくあるご質問↗
- 日本郵政グループ:郵便局などを装った不審な電話、メール、SMS及び架空Webサイトにご注意ください↗
- 日本郵便:日本郵便を装った不審メール及び架空Webサイトにご注意ください↗
- IPA:宅配便業者をかたる偽ショートメッセージに引き続き注意(2020年2月20日公開、2021年12月22日最終更新)↗
- 警察庁:フィッシング対策↗
- フィッシング対策協議会:よくあるご質問/お問い合わせ↗
- 当サイトの記事:【「ポイント」「還付金」のリンクからアプリを入れたら】「ユーザー補助」を許可しない、入れたらすぐ削除して警察へ|JC3が10月15日に注意喚起、スマホを遠隔操作されて送金される被害→
