弁護士法人名の「示談書」に「1作品なら30万円、複数なら70万円で和解」と書かれていても、その場で払ったり電話したりする前に、放置せず、家族の誰がその端末を使ったかを確認して、消費者ホットライン188に相談してください。国民生活センターは10月29日の「見守り新鮮情報」第555号で、ファイル共有ソフトの利用をきっかけに、こうした書面が届いた60歳代の相談事例を紹介しました。
事例では、先にプロバイダ事業者から「発信者情報の開示に関する照会書」が届いていたのに、心当たりがなく放置していました。そのあとに、弁護士法人名の示談書が届いています。使っていたパソコンは家族共用で、子どもも使っていたそうです。国民生活センターは、ファイル共有ソフトで動画などをダウンロードすると、知らないうちに同じファイルをアップロードしていることがあると説明しています。
家族でパソコンを共用している方は、この記事を転送してください。書面は、端末を使った人ではなく、インターネットの契約者宛に届きます(国民生活センター)。契約者本人に心当たりがなくても、家族が使った可能性があります。
手口の流れ(国民生活センターの相談事例から)
- ▸① ソフトを入れる:見たい動画や漫画をネットで探し、ファイル共有ソフトを入れます。仕組みを理解しないまま入れてしまうことがあります
- ▸② 見るつもりで、同時にアップロード:ダウンロードすると、同時に同じファイルを他人へ公開する状態になることがあります。本人に認識がなくても、無断のアップロードは著作権侵害になるおそれがあります
- ▸③ プロバイダから「意見照会書」:権利者側の請求を受けて、プロバイダ事業者が契約者へ「発信者情報開示に係る意見照会書」を送ることがあります。2025年7月公表の事例では、2週間以内に開示に同意するかを書面で回答するよう求められています
- ▸④ 弁護士名の「示談書」:照会書のあとに、弁護士法人名で和解を求める書面が届きます。10月29日の事例では、1作品なら30万円、複数なら70万円でした
書面が届いたときの対応(国民生活センターの助言)
- ▸放置しない:「発信者情報開示に係る意見照会書」などが届いたら、心当たりがなくても放置せず、対応します
- ▸端末を使った人を確認する:書面は契約者宛に届くので、家族など端末を共用する人が使った可能性を確認します
- ▸回答の期限を見る:事例では、照会書に「2週間以内に書面で回答」という期限がありました。書面の内容や対応がわからないときは、期限を確認した上で相談します
- ▸わからなければ相談する:消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談します。照会書への対応がわからない場合の相談先として、国民生活センターは2022年9月に「違法・有害情報相談センター」を案内していました。ただし同センターのサイトは、2026年10月22日12:20から利用・相談登録を停止するメンテナンス中で、終了予定は11月5日12:00と告知しています(11月2日に確認)。再開を待たず、188へ相談してください
- ▸今後の対策:ファイル共有ソフトの仕組みとリスクを理解しないまま使わない。違法なダウンロード・アップロードはしない。端末を共用する場合は使用ルールを決め、子どものアカウントには「ユーザー権限」を設定して、勝手にソフトを入れられないようにする
注意:この記事は、届いた書面が本物の請求か、偽物かを判断できません。国民生活センターの事例も、書面の真偽には触れていません。また、著作権侵害になるかどうか、支払う義務があるかどうかは、個別の事情で変わり、この記事では判断できません。届いた書面は捨てずに持って、188や弁護士などの専門家に相談してください。
今日できること
- ✓★家族のパソコンに、ファイル共有ソフトが入っていないか確認する。入れた覚えのないソフトがあれば、誰が入れたかを家族に聞きます
- ✓子どもが使うパソコンは、アカウントを「ユーザー権限」にする。管理者権限のままだと、勝手にソフトを入れられます
- ✓プロバイダからの郵便や、法律事務所名の書面は、心当たりがなくても開封して中身を確認する。期限が書いてあれば、控えておきます
- ✓届いた書面は捨てず、封筒ごととっておく。相談するときに、そのまま見せられます
- ✓相談先を電話の横にメモしておく。消費者ホットライン188(お住まいの地域の消費生活センターにつながります)、警察相談専用電話 #9110
もう書面が届いてしまったときは
- ✓まず書面の送り主、日付、期限を写真に撮る。封筒もとっておきます
- ✓払う約束や、書面の連絡先への電話は、相談する前にしない。
- ✓188に電話する。お住まいの地域の消費生活センターにつながります。照会書への対応がわからない場合の相談先「違法・有害情報相談センター」は、11月2日時点でメンテナンス中(終了予定は11月5日12:00)なので、再開を待たず188へ
- ✓脅す電話や、取り立てのような連絡が来たら、#9110か最寄りの警察署へ。急ぎのときは110番です
家族に送るならこの3行
- ▸ファイル共有ソフトは、動画を「見る」だけのつもりでも、同時に他人へ「配って」いることがある(国民生活センター、10月29日)。入れた覚えのないソフトがないか確認
- ▸★「意見照会書」や弁護士名の「示談書」が届いたら、放置せず、払う約束の前に、家族の誰が使ったかを確認する。
- ▸わからなければ、消費者ホットライン188。脅されたら警察の #9110。届いた書面は捨てずにとっておく
根拠にしたページ
- 国民生活センター:見守り新鮮情報 第555号「知らないうちに著作権侵害?ファイル共有ソフトにご注意」(2026年10月29日)↗
- 国民生活センター:動画を見るためにファイル共有ソフトを使ってない!?知らないうちに著作権侵害していることも!(2025年7月1日公表)↗
- 国民生活センター:まさか自分が著作権侵害?!ファイル共有ソフトの安易な使用には危険がいっぱい!(2022年9月7日)↗
- 違法・有害情報相談センター(国民生活センターの案内する相談先)↗
- 消費者庁:消費者ホットライン 188↗
- 警察庁:警察相談専用電話 #9110 の案内(PDF)↗
- 当サイトの前の記事:国民生活センターをかたる「最終確認通知書」のハガキ(10月24日)→
