警察庁は、詐欺に使われた口座の情報を、警察と金融機関が共有する「情報共有型連携」を、2026年11月9日から全国で一元運用すると発表しました。警察庁と協定を結ぶのは、都市銀行、インターネット専業銀行などの30金融機関です。この仕組みで、詐欺に使われた口座へ振り込んだ人(被害に遭いかけている人)を見つけて、警察が接触することが目的です。あなたや家族に、警察から連絡が来る場合があります(接触の方法は、資料に書かれていません)。その連絡が本物かを、自分で確かめる方法を先に知っておいてください。
数字の読み方:警察庁が公表した令和8年1〜9月の特殊詐欺(暫定値)は、認知33,329件(前年同期比+3,299件、+11.0%)、被害額2,610.4億円(+483.9億円、+22.8%)です。令和8年から、警察庁は「ニセ警察詐欺」と「SNS型投資・ロマンス詐欺」を、特殊詐欺の手口の1つとして数えています。暫定値で、今後の集計で変わる場合があります。
警察庁の発表(令和8年11月5日付)
- ▸背景:令和7年の特殊詐欺の被害額は3,257.4億円で、過去最悪でした。警察庁の資料は、被害金の交付形態別では振込型が全体の56.9%を占め(どの期間の値かは資料に明記がありません)、預貯金口座が被害金の移動に使われ続けていると書いています。警察庁は、警察と金融機関の一層の連携が急務だとしています
- ▸情報共有型連携とは:令和6年10月に埼玉県警が始め、全国の警察に広がった、都道府県警察と地方銀行などの間で、不正利用口座(被害金が振り込まれた口座)の情報を共有する枠組みです
- ▸しくみ:警察が、被害者の相談や申告をもとに把握した不正利用口座の情報を、金融機関に提供します。金融機関は、自行内の振込データから、その口座へ振り込んだ顧客(まだ被害に気づいていない人)を見つけて、警察に知らせます。警察がその顧客に接触し、被害の拡大を防ぎます
- ▸全国一元運用:警察庁が、47都道府県警察の情報を集めて、協定を結んだ金融機関へまとめて提供します。運用の開始は11月9日です
- ▸警察がどう接触するか(電話か、訪問かなど)は、資料に書かれていません。
手口別の数字(令和8年1〜9月・暫定値)
- ▸SNS型投資詐欺:7,580件、991.0億円。前年同期比で件数+28.1%、被害額+27.2%
- ▸ニセ警察詐欺:7,334件(前年同期比−4.1%)、被害額842.8億円(+25.6%)。件数は減っても、被害額は増えています
- ▸SNS型ロマンス詐欺:4,005件、366.5億円
- ▸架空料金請求詐欺:4,718件、107.9億円。オレオレ詐欺:3,143件、116.0億円。還付金詐欺:2,311件、51.2億円
この連携が「連絡を装う詐欺」に使われる心配
ここは当サイトの注意で、警察庁の資料に書かれた内容ではありません。警察から連絡が来る仕組みが広く知られると、その連絡を装う詐欺が出る恐れがあります。警察庁は、ニセ警察詐欺について、すでに次の点を案内しています。
- ▸警察は、電話で「捜査対象になっている」と伝えたり、メッセージアプリで連絡したり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりしない
- ▸相手が教えた番号には、決して折り返さない
- ▸警察署の代表番号が表示されても、本物と信じない。警察本部や警察署の電話番号を偽って表示させる手口が確認されています
- ▸不安を感じたら、警察相談専用電話 #9110へ
今日やること
- ✓★「あなたの振込先は詐欺口座かもしれない」という連絡が来たら、いったん切る。切ってから考えて構いません。本物なら、切られて困る用件を、電話の場で急がせることはありません(当サイトの考えです)
- ✓★折り返しは、自分で調べた番号だけにする。相手が教えた番号や、着信履歴の番号は使いません。取引している銀行は、通帳やキャッシュカードに書かれた窓口へ。警察は、最寄りの警察署か #9110 です
- ✓電話で、暗証番号、ワンタイムパスワード、キャッシュカードの受け渡しを求められたら、その時点で詐欺と判断する。警察庁の案内は、警察や銀行がそうした要求をすると書いていませんが、本物の手続きで、電話口の人に渡す必要はありません(当サイトの考えです)
- ✓振り込む前に、家族や周りの人に話す。SNSで知り合った相手や、知らない人から勧められた投資、恋愛を理由にした送金は、特に止まって相談します
- ✓警察庁が案内する推奨アプリを入れる。警察庁は、スマートフォンでできる詐欺電話対策として、推奨アプリを案内しています
- ✓親や高齢の家族にも、この3行を伝える。11月9日から連絡が来る場合があることを、先に話しておきます
相談先
詐欺かもしれないと思った段階では、警察相談専用電話 #9110(緊急でない相談)へ。今まさに被害に遭っている、命や安全が危ないなど、急を要するときは110番です。お金を振り込んでしまった場合は、すぐに取引している銀行と警察へ連絡し、消費者ホットライン 188(最寄りの消費生活センターにつながります)にも相談できます。なお、ここに載せた番号は、日本国内の窓口です。
家族に送るならこの3行
- ▸11月9日から、警察と30の金融機関が、詐欺に使われた口座の情報を全国で共有する。振り込んだ人に、警察から連絡が行く場合がある(警察庁)。令和8年1〜9月の特殊詐欺は33,329件・2,610.4億円
- ▸★「振込先が詐欺口座」という連絡が来たら、切る。折り返しは、自分で調べた番号だけ。相手が教えた番号や、表示された警察署の番号は信じない
- ▸暗証番号やカードを電話で渡さない。迷ったら #9110 か警察署へ。お金の相談は188
確認できなかったこと
- ▸警察が、顧客にどう接触するか。電話か、訪問かなど、方法は警察庁の資料に書かれていません
- ▸自分の取引先が対象かどうか。30機関の名前は、警察庁の資料の別添(PDFの2ページ目)に載っています(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、PayPay銀行、楽天銀行、ゆうちょ銀行など)。別添にない銀行が対象かは、資料から分かりません。取引先の銀行に確認してください
- ▸この連携を装う詐欺が、実際に出ているか。確認できた資料に、そうした事例の記載はありません。本文の注意は、当サイトの見立てです
- ▸令和8年10月以降の数字。確認できた最新は、9月末の暫定値です
