FORSMILE
EN
ネット安全2026/09/15

【本物か確かめる】警察を名乗る電話とビデオ通話|ホンモノの警察官がしない4つのことと、折り返してはいけない番号

警察庁によると、ニセ警察詐欺は令和7年だけで認知11,014件、被害額1,005.0億円。特殊詐欺の被害額の70.6%を占めます。被害者は30代が最多です。警察官を名乗る電話とビデオ通話の見分け方を、守護者シェミハザが警察庁の公表資料から整理します。

ブログ一覧へ / Back to Blog

守護者(センチネル)、シェミハザだ。今日は警察官を名乗ってかかってくる電話の話をする。

結論を先に置く。ホンモノの警察官は、次の4つをしない。電話で「あなたは捜査対象だ」と伝えない。メッセージアプリで連絡しない。警察手帳や逮捕状の画像を送らない。そして個人のスマホに突然ビデオ電話をかけない。

ひとつでも当てはまったら、それは詐欺だ。警察庁がそう明言している。

今日の材料は警察庁の特殊詐欺対策ページ「SOS47」と、令和8年7月末時点の特殊詐欺統計(暫定値)だ。どちらも警察庁が公表しているものを直接見ている。

そして先に、いちばん誤解されている点を潰しておく。この手口の被害者は、年代別で30代が最多だ。「詐欺は高齢の親の話」ではない。

数字で見ると、特殊詐欺の被害額の7割がこの手口

警察庁が公表している令和7年の確定値はこうなっている。

ニセ警察詐欺の認知件数は11,014件で、特殊詐欺全体の39.6%。被害額は1,005.0億円で、特殊詐欺全体の70.6%。件数では4割、金額では7割だ。1件あたりの被害が大きいことがここから分かる。

年代の傾向も公表されている。被害者は30代が最多で、既遂1件あたりの被害額がいちばん大きいのは70代。そして最初に接触してくる手段は、40代以下では携帯電話が9割以上、50代以上では固定電話が約6割。若い世代はスマホで狙われている。

なお特殊詐欺全体の認知件数は、令和8年に入ってからも月3,000〜4,300件台で推移している(令和8年7月は4,020件・暫定値)。ニセ警察詐欺は令和8年から独立した統計項目になった。それだけ目立つ手口になったということだ。

手口は3段階で進む

警察庁が挙げている流れを整理する。途中で通話の手段が切り替わるのが、この手口の特徴だ。

  • ① 電話がかかってくる。 固定電話にも携帯にもかかる。「あなたの口座が犯罪に使われている」「あなたの携帯電話が不正に契約された」などと理由をつけてくる。電話会社や総務省を名乗って始まり、途中で警察官役に代わるケースもある。
  • ② 不安を煽り、通話を移す。あなたは逮捕される」と言われる。偽の警察手帳や逮捕状を見せてくるケースもあり、SNSやビデオ通話へ誘導される。自動音声で「2時間後からこの電話は使えなくなる」「使用する場合は1番を押してください」と流し、大量に架電している実態も確認されている。
  • ③ 送金させられる。資産を保護する」「口座を調査する」といって、現金をだまし取ったり振り込ませたりする。現金や振込だけでなく、金地金(きんじがね)を買わせて取り上げる手口も確認されている(認知163件・被害額58.2億円、既遂1件あたり3,572.7万円)。
ニセ警察詐欺が送金に行き着くまでの3段階。止まる一点は「警察は電話で取り調べをしない」。

ホンモノの警察官がしない4つのこと

ここが見分け方の核心だ。警察庁が「ホンモノの警察官は」として挙げているのは次の4つ。覚えるならこれだけでいい。

  • 電話で捜査対象となっているなどと伝えることはありません。
  • メッセージアプリで連絡をすることはありません。
  • 警察手帳や逮捕状の画像を送ることはありません。
  • 個人のスマートフォンに突然ビデオ電話をすることはありません。

警察庁はこの4つに続けて、「ひとつでも当てはまる場合、怪しいなと思った時は、電話やビデオ通話を切って」、対面で最寄りの警察署へ相談するか、警察相談専用電話(#9110)へ相談するように書いている。

あわせて、警察庁をかたるメールも確認されている。「あなたにはマネーロンダリングの疑いがあります。保釈金として○○万円を指定口座にお振り込みください。期日までに送金しない場合は逮捕されます」といった文面だ。警察庁はメールや電話で金銭を要求することは一切ない。

いちばん危ないのは「かけ直す」こと

表示された電話番号は、信じる材料にならない。警察庁は、警察本部や警察署の代表電話番号を偽装して表示させる手口を確認したとして、実例を挙げている。

被害者の携帯に愛知県警察本部の代表電話番号(052-951-1611)から着信があり、出ると警察官を名乗る女性から「あなた名義の口座が不正に開設されており、資金洗浄事件の容疑者になっている」と言われる。その後SNSのビデオ通話に移り、顔写真付きの警察手帳を示されたうえで「一度お金を全て振り込んでもらい、資金調査を行う必要がある」と言われ、250万円を振り込んでしまった。あとから同じ代表番号に自分でかけ直して、詐欺だと分かった、という事例だ。

だから警察庁はこう書いている。「相手方から教示された番号には、決して折り返さないでください」。そして「実在する警察署等の電話番号が使われていても、ホンモノと信じず、警察署や警察相談専用電話(#9110)に相談してください」。

確かめる先は、必ず自分で調べた番号にする。相手が教えてくれた「確認用の番号」は、犯人につながる。なお「」から始まる国際電話番号で、末尾が「0110」の番号を使い、警察署からの着信を装う事例も目立つとされている。

今日できる自衛策

  • 「警察」「逮捕」「口座」が電話で同時に出てきたら、いったん切る。 切ってから考えて構いません。ホンモノなら、切られて困る用件を電話でいきなり伝えることはありません。
  • 折り返しは、自分で調べた番号だけにする。 相手が教えた番号、着信履歴に残った番号、どちらも使いません。最寄りの警察署の番号は自分で検索するか、#9110 にかけます。
  • ビデオ通話で手帳や逮捕状を見せられたら、その時点で詐欺と判断してよい。 警察庁が「しない」と明言している行為です。画像の出来映えは関係ありません。
  • 家族の携帯にもかかってくる前提で共有する。 40代以下は9割以上が携帯電話から接触されています。高齢の親だけの問題ではありません。
  • 「金(きん)を買ってきて」と言われたら、確実に詐欺です。 金地金をだまし取る手口の約9割がニセ警察詐欺だと警察庁は書いています。

今日の見破りクイズ

🛡シェミハザの見破りクイズ

スマホに警察署の代表電話番号が表示されて着信がありました。出ると警察官を名乗る人が「あなたの口座が犯罪に使われている」と言います。いちばん安全な対応はどれでしょう。

家族に送るならこの3行

  • 警察は電話で取り調べをしないし、ビデオ通話で警察手帳も見せない。そう言われたら詐欺。
  • 画面に本物の警察署の番号が出ていても、信じなくていい。番号は偽装できる。
  • 確かめるなら、相手が教えた番号ではなく自分で調べた番号か #9110 へ。お金を払ってしまったら消費者ホットライン 188

相談先を整理しておく。詐欺かもしれないと思った段階では、警察相談専用電話 #9110。警察庁は緊急でない相談の窓口としてこの番号を案内している。事件性があって急を要するときは110番だ。お金を払ってしまった場合は、消費者ホットライン 188。最寄りの消費生活センターにつながる。

なお国民生活センターは、2026年9月14日に「消費者トラブル解決ナビ」(consumer.go.jp/pio)を開設した。トラブル解決に役立つ情報をFAQ形式で提供し、全国の消費生活相談窓口を案内するサイトで、Webフォームで相談を受け付けている窓口には、このサイトから相談を申し込めると国民生活センターは説明している。電話をかけづらいときの選択肢が一つ増えた形だ。

🚨 「しまった!」と思ったら、今すぐこちらへ

被害に遭った直後・遭ったかもしれない時のための、状況別の緊急対応ガイドです。落ち着いて、上から順に対処すれば大丈夫です。

Related articles