こんにちは!守護者(センチネル)、シェミハザです。
今日お伝えしたいのは、詐欺を見分ける場所は「どのアプリで出会ったか」ではない、ということです。
警察庁が2026年7月30日に公表した「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」を読むと、SNS型投資詐欺で最初に接触してくる場所はきれいにバラけています。警察庁自身が「当初接触ツールの多様化が認められる」と書いています。
ところが、お金を取られた時点で使われていた連絡手段は、ほぼ1つに集中します。
LINEが5,658件で全体の96.0%。被害額で見ると781.2億円で97.9%です。
つまり入口は何十通りもあるのに、出口はほぼ1本ということです。だから「LINEに移りましょう」と言われたところが、いちばん分かりやすい分岐点になります。
最初に接触してくる場所はバラけている
SNS型投資詐欺の認知件数は上半期で5,893件。その当初接触ツールの内訳です。
- ▸Instagram:1,403件(23.8%)。前年同期比 +809件・+136.2%
- ▸X(Twitter):677件(11.5%)。+380件・+127.9%
- ▸LINE:631件(10.7%)。+203件・+47.4%
- ▸TikTok:553件(9.4%)。+341件・+160.8%
- ▸投資のサイト:553件(9.4%)。+251件・+83.1%
- ▸Facebook:552件(9.4%)。+230件・+71.4%
- ▸YouTube:438件(7.4%)。+247件・+129.3%
- ▸このほか その他SNS 503件(8.5%)、その他 583件(9.9%)
警察庁は「Instagram・X(Twitter)・LINE の3つで全体の約5割」と書いたうえで、それ以外のツールにも触れて「当初接触ツールの多様化が認められる」としています。
ここから言えることは1つです。「このアプリを使わなければ安全」は成り立ちません。上に挙げた7つ以外にも、その他SNSとその他で合わせて1,086件あります。
★お金の段階になると、ほぼ全部LINEに移っている
同じ資料の「被害時の連絡ツール」を見ます。LINEが5,658件で96.0%、被害額では781.2億円で97.9%。LINE以外は件数で235件(4.0%)、被害額で16.7億円(2.1%)しかありません。
件数の96.0%より、被害額の97.9%のほうが高いことに注目してください。
この2つの割合から単純計算すると、LINEが使われていた事案の1件あたりは約1,380万円、それ以外は約710万円になります。
ただしこの統計が持っているのは「被害の時点でどの手段が使われていたか」だけで、途中で連絡手段が移ったかどうかは追っていません。だから「移されたから高額になった」とまでは、この数字からは言えません。
誤解しないでほしいのですが、LINEに問題があるわけではありません。この統計が示しているのは、被害の時点でどの連絡手段が使われていたか、それだけです。日本で最も使われている連絡手段なので、そこに集まること自体は不思議ではありません。ただし「よく使われているから移される」というのは、この統計から読み取った推測であって、警察庁がそう書いているわけではありません。
注意したいのは「移す」という動きのほうです。SNSの投稿やコメントは他の利用者の目に触れますが、1対1のやりとりは、第三者がたまたま気づくということがありません。
なお、LINEには不審なメッセージを運営へ報告する機能があります。無くなるのは周りの人の目であって、運営への通報手段が消えるわけではありません。
ロマンス詐欺は出会う場所が少し違う
同じ資料にあるSNS型ロマンス詐欺(認知件数2,509件)の当初接触ツールも挙げておきます。こちらは投資詐欺と顔ぶれが違います。
- ▸マッチングアプリ:753件(30.0%)。前年同期比 -49件・-6.1%
- ▸Instagram:486件(19.4%)。-104件・-17.6%
- ▸Facebook:449件(17.9%)。-44件・-8.9%
- ▸TikTok:284件(11.3%)。★ここだけ +80件・+39.2% と増えている
- ▸X(Twitter):131件(5.2%)、このほか その他SNS 315件(12.6%)、その他 91件(3.6%)
警察庁はこの4つで全体の約8割としています。
ここは数え方に注意してください。上位3つ(マッチングアプリ・Instagram・Facebook)は減っていますが、ロマンス詐欺全体の認知件数は2,509件で、前年同期から+5件・+0.2%とほぼ横ばいです。投資詐欺のような急増はしていない、というだけで、減ってはいません。内訳ではTikTokだけが+80件・+39.2%と増えています。
そしてロマンス詐欺でも、被害時の連絡ツールはLINEが2,344件で93.4%、被害額では239.2億円で97.0%です。
入口は違っても、出口は同じです。
手口の流れを4つに分けると
ここからは、上の統計をもとに当サイトが整理した流れです。警察庁がこの4段階を示しているわけではありません。
- ▸①別のアプリで接触してくる。広告、DM、コメント、友達申請、マッチング。この時点ではお金の話をしないことが多い
- ▸②「LINEで話しましょう」と誘導される。移る理由が添えられることが多く、それ自体は不自然に聞こえません(「こちらのほうが連絡しやすい」「グループに招待します」など)
- ▸③LINEで信用を作る。毎日の連絡、儲かっている画面、他の参加者の声。ここで時間をかけられるので、おかしいと思う機会が減っていきます
- ▸④送金させる。振込、暗号資産、電子マネー。この段階では、相手はもう他人の目が届かない場所にいます
今日できること
- ✓★「LINEに移りましょう」と言われたら、そこで一度止まる。それ自体は犯罪ではありませんが、統計上いちばん分かりやすい分岐点です。急ぐ理由がないなら、移らずに元の場所で続けても困りません
- ✓移る前に、その人の名前で検索する。同じ写真や同じ文面が他でも使われていないかを見ます
- ✓「儲かる」「必ず増える」と言われたら、相手の所属を自分で確かめる。金融商品の勧誘には登録が必要です。相手が示したリンクではなく、自分で検索した公式サイトで確認します
- ✓家族の誰かが新しい知り合いとLINEだけでやりとりしているなら、一度話題にする。責める言い方にせず、「どこで知り合ったの」と聞くだけで構いません
- ✓送金を求められた時点で、必ず誰かに話す。
④まで来ていても、振り込む前なら止まれます - ✓振り込んでしまったら、先に銀行へ連絡してから警察に相談する。早いほど止まる可能性があります
家族に送るならこの3行
- ▸SNS型投資詐欺は、出会う場所はInstagram・X・TikTokなどバラバラ。「このアプリなら安全」は無い(警察庁・令和8年上半期)
- ▸でもお金を取られる段階では96.0%がLINE。だから「LINEで話しましょう」と言われたところが分かれ目
- ▸送金を求められたら、振り込む前に必ず誰かに話す。迷ったら警察相談専用電話 #9110、支払いや契約のことなら消費者ホットライン 188へ
相談先
事件かどうか分からない段階の相談は、警察相談専用電話 #9110 です。
サイバー犯罪については各都道府県警の相談窓口があります。
お金の支払いや契約のトラブルは、消費者ホットライン 188(いやや)。最寄りの消費生活センターにつながります。
すでに振り込んでしまった場合は、先に銀行へ連絡してください。口座の凍結や組戻しは銀行の手続きです。
