こんにちは!守護者(センチネル)、シェミハザです。
今日は、会社やお店の電話に、銀行を名乗る自動音声がかかってきたときの話です。
結論は、銀行から電話があったら、そのまま話を進めず、一度切って、銀行の営業店か代表電話に自分からかけ直して確かめること。そして、銀行をかたるメールやSMSのリンクは開かないことです。経理を担当している方、個人事業主の方、家族でお店や会社を営んでいる方に、特に読んでほしい内容です。
今日の実例です。警察庁は2026年10月13日付の広報資料で、令和6年10月に発生した「銀行騙りのボイスフィッシング事件」について、日本の警察がベトナム人マネーロンダリンググループとの仲介役の被疑者を逮捕し、押収した証拠品を調べた結果をベトナムへ提供したところ、ベトナムで被疑者7人が検挙されたと発表しました(国際共同捜査)。
警察庁は、手口が変わって再び被害が出ていることも注意喚起しています。令和8年上半期の情勢報告は、令和6年秋から、犯罪グループが企業に電話をかけ、ネットバンキングの更新手続などをかたってメールアドレスを聞き出し、フィッシングメールを送るボイスフィッシングで、法人口座の不正送金被害が急増したと書いています。さらに令和8年5月からは、遠隔操作ソフトをインストールさせる新しい手口による被害が急増しました。
先に、分かっていることと分からないことを分けます。分かっているのは、警察庁が示した手口の流れと対策、令和8年上半期の件数と金額、国際共同捜査で検挙があったことです。分からないのは、今の被害の件数や金額の最新値です。警察庁の公表は、令和8年上半期(6月末まで)までで、7月以降の数字は確認できませんでした(くわしくは最後の「確認できなかったこと」)。
電話から送金までの流れ
- ▸① 自動音声の電話がかかる。警察庁の図の例は、「○○銀行です。ネットバンキングを利用している方は■番を押してください」です。発信元は国際電話番号と、警察庁の図に書かれています
- ▸② 番号を押すと、犯人の声に代わる。「PC環境の更新が必要です。手続きのため、メールアドレスと携帯電話番号を教えてください」と言われます
- ▸③ リンクを開かせる。警察庁は2つを挙げています。メールのリンクから、「セキュリティ強化のためのソフト」と称する遠隔操作ソフトを入れさせる。SMSのリンクから偽サイトへ誘導し、ネットバンキングのIDとパスワードを盗む
- ▸④ 偽の画面の裏で送金する。遠隔操作している企業の端末に「システム更新中」などの偽の画面を出しているあいだに、盗んだIDとパスワードで不正送金を実行します
- ▸なぜ遠隔操作なのか。警察庁は、企業がふだん使っている端末から送金することで、金融機関による端末認証や不正取引監視を避けようとしていると考えられる、と書いています
今日できること
- ✓★銀行から電話があったら、いったん切る。そして、銀行の営業店か代表電話に、自分から折り返して本物かを確認します(警察庁)。折り返す番号は、通帳や銀行の公式サイトなど、自分で調べたものを使います(調べ方は当サイトの補足)
- ✓銀行をかたるメールやSMSのリンクは開かない。警察庁は「アクセスは禁止」と書いています
- ✓「PC環境の更新が必要」「セキュリティ強化のためのソフトを入れて」と言われたら、入れない。遠隔操作ソフトは、入れると画面と操作を相手に渡すことになります(当サイトの補足)
- ✓電話で、メールアドレスや携帯電話番号を聞かれても、教えない。警察庁が示す流れは、ここから偽のメールが送られてきます
- ✓経理や総務の担当者だけでなく、社内や家族に共有する。警察庁の便りは、「被害を未然に防ぐために社内で徹底」と書いています
- ✓国際電話の着信ブロックを検討する。警察庁は、特殊詐欺の対策として「国際電話の着信ブロック」を勧めています。固定電話の利用休止の申し込み先は、警察庁のページにあります
もし、IDやパスワードを教えた、ソフトを入れてしまったら
- ▸① 通信を切る。遠隔操作ソフトを入れてしまったパソコンは、ネットワークから外します(LANケーブルを抜く、Wi-Fiを切る)。電源を落とすかどうかは、専門家に聞いてからにします(当サイトの補足)
- ▸② すぐに取引のある銀行へ電話する。ここも、自分で調べた代表番号か営業店にかけます。ネットバンキングの停止や、不正な送金の有無の確認を相談します(当サイトの補足)
- ▸③ 警察に通報・相談する。警察庁は「もしも、被害に遭ってしまったら警察に通報・相談を」と書いています。最寄りの警察署か、サイバー犯罪相談窓口です
- ▸警察庁は2026年9月30日、特殊詐欺の被害金を追跡し、凍結し、回復するための、警察と金融機関の協力の枠組みを、協定した金融機関20行へ広げたと発表しました(10月1日から)。お金が動いたあとでも、早く動くほど手がかりが残ります(当サイトの補足。この枠組みが、このボイスフィッシングの被害に使えるかは、警察庁の資料には書かれていません)
- ▸警察庁の便りに、①と②の具体的な手順は書かれていません。ここは当サイトの補足です
見破りクイズ
こんな場面を想像してください。
家族や社内に送るならこの3行
- ▸「○○銀行です。ネットバンキングの方は■番を」という自動音声は、法人口座を狙う詐欺の入り口。「PC環境の更新が必要」と言われたら詐欺(警察庁)
- ▸★電話はいったん切って、通帳や公式サイトで調べた銀行の営業店・代表電話に、自分から折り返す。銀行をかたるメールやSMSのリンクは開かない
- ▸ソフトを入れてしまった、IDやパスワードを教えた、お金が動いたかも、というときは、すぐ取引銀行と、警察(最寄りの警察署かサイバー犯罪相談窓口、迷ったら #9110)へ
相談先
これは詐欺かどうか迷うとき、被害に遭ったかもしれないときは、最寄りの警察署、サイバー犯罪相談窓口、または警察相談専用電話 #9110 です。今まさに送金されているなど、被害が進んでいるときは110番です(警察庁の案内にもとづく、当サイトの補足です)。
契約や請求のトラブルは、消費者ホットライン「188(いやや!)」です。お住まいの地域の消費生活センターにつながります。
確認できなかったこと
- ▸現在の被害の件数と金額。警察庁の公表は令和8年上半期(6月末まで)の件数と金額(ネットバンキングに係る不正送金253件、約20億7,000万円、前年同期比51%減)で、令和8年5月以降の遠隔操作ソフトを使う手口だけの件数や金額は、確認できませんでした
- ▸個人の口座にも同じ手口が使われているか。警察庁の資料が示すのは、法人口座を狙う手口です。個人向けの被害は、今回の資料では確認していません
- ▸国際共同捜査の中身。10月13日の発表は、日本の警察が仲介役の被疑者を逮捕したこと、ベトナムで7人が検挙されたことを書いていますが、被害額、グループの規模、今も続く手口との関係は書かれていません
- ▸発表の日付。資料の日付は10月13日ですが、警察庁サイトの報道発表の一覧では10月14日の掲載になっています。この記事は、資料の日付の10月13日を使いました
- ▸警察庁の便りに、被害に遭った直後の具体的な手順は書かれていない点。「通信を切る」「銀行へ電話する」は、当サイトの補足と明記しました
- ▸被害金の凍結の枠組みが、このボイスフィッシングに使えるか。警察庁の資料は、特殊詐欺の被害金を対象にした枠組みを説明しており、この手口への適用は書かれていません
根拠にしたページ
- 警察庁:サイバー警察局便り Vol.6(令和8年6月・巧妙化するボイスフィッシング、遠隔操作ソフトを悪用した手口)↗
- 警察庁:令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(コラム:ボイスフィッシングによる不正送金被害)↗
- 警察庁:詐欺事件被疑者の検挙に関するベトナムとの国際共同捜査について(2026年10月13日)↗
- 警察庁SOS47:みんなでとめよう!!国際電話詐欺 #みんとめ(国際電話の着信ブロック)↗
- 警察庁:サイバー犯罪相談窓口↗
- 消費者庁:消費者ホットライン188↗
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