こんにちは!守護者(センチネル)、シェミハザです。
今日は、たった一行覚えておけば止められる手口の話をします。
警察庁の言葉をそのまま引きます。「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません。」
還付金詐欺は、この一行を知っているだけで途中で止まります。
題材は昨日の統計です。
警察庁が2026年10月2日に「令和8年8月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」を公表しました。
★その中で<strong>還付金詐欺は、件数と金額が逆の方向に動いています。</strong>認知件数は2,058件で前年同期比10.0%の減少。ところが被害額は46.5億円で7.2%の増加です。
件数が減って金額が増えている、ということです。
★1件あたりの平均は約190万円から約226万円へ(当サイトの計算)
警察庁が出しているのは件数と被害額までなので、1件あたりは当サイトで割り算しました。計算式を書いておきます。
今年(令和8年8月末まで):46.5億円 ÷ 2,058件 = 約226万円
前年同期:43.4億円 ÷ 2,287件 = 約190万円
前年同期の数字は、発表された「+3.1億円」「−229件」から逆算したものです。
つまり1件あたりの平均は約19%上がっています。
★ここで注意してほしいことが2つあります。
1つ目。被害額は0.1億円単位で発表されているので、前年同期の43.4億円には丸めが含まれます。約190万円という数字も概算です。
2つ目。これは「1人あたりの被害が増えた」という意味ではありません。警察が認知した1件あたりの平均が上がったという意味です。なぜ上がったのかは、この統計からは分かりません。
★そして「還付金詐欺だけが件数減・被害額増」でもありません。
ニセ警察詐欺も同じ動きで、6,346件(−4.1%)に対して被害額は728.6億円(+27.0%)です。
当サイトが還付金詐欺を取り上げたのは、手口が1行の知識で止められるからです。
手口別の数字(令和8年8月末・暫定値)
特殊詐欺の全体は認知件数29,687件(+14.4%)、被害額2,360.7億円(+33.2%)です。主な手口を、発表の表からそのまま写します。
<table>
<tr><th>手口</th><th>認知件数(前年同期比)</th><th>被害額(前年同期比)</th></tr>
<tr><td><strong>還付金詐欺</strong></td><td><strong>2,058件(−229件 / −10.0%)</strong></td><td><strong>46.5億円(+3.1億円 / +7.2%)</strong></td></tr>
<tr><td>ニセ警察詐欺</td><td>6,346件(−274件 / −4.1%)</td><td>728.6億円(+155.1億円 / +27.0%)</td></tr>
<tr><td>SNS型投資詐欺</td><td>7,097件(+2,347件 / +49.4%)</td><td>937.4億円(+328.0億円 / +53.8%)</td></tr>
<tr><td>架空料金請求詐欺</td><td>4,211件(+504件 / +13.6%)</td><td>97.5億円(+13.5億円 / +16.0%)</td></tr>
<tr><td>SNS型ロマンス詐欺</td><td>3,506件(+13件 / +0.4%)</td><td>325.8億円(+2.5億円 / +0.8%)</td></tr>
<tr><td>オレオレ詐欺</td><td>2,739件(+474件 / +20.9%)</td><td>104.2億円(+16.9億円 / +19.3%)</td></tr>
<tr><td>預貯金詐欺</td><td>667件(−508件 / −43.2%)</td><td>6.0億円(−6.9億円 / −53.3%)</td></tr>
<tr><td><strong>特殊詐欺 合計</strong></td><td><strong>29,687件(+3,732件 / +14.4%)</strong></td><td><strong>2,360.7億円(+588.4億円 / +33.2%)</strong></td></tr>
</table>
★前年同期比の読み方に注意が1つあります。
警察庁は令和8年から手口の整理を変えています。発表にこう書かれています。
「被害が急増している『ニセ警察詐欺』を独立した手口として位置付けました」「SNS型投資・ロマンス詐欺を特殊詐欺の一手口として位置付けました」
さらにニセ警察詐欺の検挙件数と検挙人員は令和8年から統計を開始したため、令和7年の分は各種手口に含まれています。
分類が変わった手口の前年同期比は、そのまま同じ土俵の比較にはなりません。
警察庁が載せている会話例をそのまま読む
警察庁のSOS47のサイトには、還付金詐欺の会話例が載っています。作り話ではなく、公的機関が「こんな電話に注意しよう」として出しているものです。そのまま引きます。
- ▸犯人「年金支給が一部未払いとなっておりましたので、受け取る手続きをしてください。」
→ 受け取る側は「そんな案内来てたかな?」と思う - ▸犯人「以前に青色の封筒を送りましたが、ご確認されてないですか?払い戻し期限が今日までとなっているので、お電話しています。」
→ 「それは大変。見落としたかも…」と焦る - ▸★犯人「お近くのATMでお手続きができますので、今から携帯電話を持ってATMに向かってください。着いたらお電話いただければ、操作方法を説明します。」
- ▸犯人「操作方法を説明しますので、私が言ったとおりにボタンを押してください。」
→ 言われたとおりに入力すると、実際には犯人にお金を振り込む手続きをしてしまう
★3つ目の台詞が分かれ目です。
警察庁は手口をこう定義しています。「税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る手口」
お金を奪われるのではなく、自分の手で振り込んでしまうのが還付金詐欺です。
騙る相手は自治体・税務署・年金事務所の職員、名目は医療費や保険料の過払い金、一部未払いの年金だと書かれています。
今日できること(警察庁が挙げている5つ)
- ✓★「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません」を覚える。これは警察庁の言葉です。ATMへ向かうよう言われた時点で、話の内容を考えずに切ってよい
- ✓最寄りの警察署にかけ直して本物かを確認する。相手が教えた番号ではなく、自分で調べた番号にかけ直すのが肝心です
- ✓携帯電話は、知らない番号を着信拒否に設定する
- ✓固定電話は、国際電話の着信をブロックする。警察庁は「外国からの電話番号を悪用した特殊詐欺被害が急増しています」と書いており、普段海外と固定電話で話さない方は、電話またはWebから国際電話の利用休止を申し込めます
- ✓★ATMの利用限度額を低く設定しておく。これは止める対策ではなく、押してしまったときに被害を小さくする対策です
- ✓番号表示・非通知拒否サービスを使う。警察庁は「特殊詐欺対策では、何よりも犯人と話をしないことが大切です」と書いています
家族に送るならこの3行
- ▸役所や税務署、年金事務所を名乗る電話で「ATMで手続きできます」と言われたら詐欺です。警察庁は「ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません」と書いています
- ▸「払い戻し期限が今日まで」と急がせるのが特徴。警察庁が公表した令和8年8月末の暫定値では、還付金詐欺は2,058件・46.5億円。件数は10.0%減ったのに被害額は7.2%増えています
- ▸確認したいときは、相手が教えた番号ではなく自分で調べた番号へかけ直す。迷ったら警察相談専用電話 #9110、お金を払ってしまったら消費者ホットライン 188 へ
相談先
事件かどうか分からない段階の相談は、警察相談専用電話 #9110 です。今回の出典である警察庁のページにも、この番号が載っています。
お金を払ってしまった、契約させられたというトラブルは、消費者ホットライン 188 です。住んでいる地域の消費生活センターにつながります。
犯人や犯行拠点につながる情報を持っている場合は、匿名通報ダイヤル 0120-924-839 があります。警察庁が同じページで案内しています。
