どの企業の事例か
フランスに本社を置く世界最大の化粧品会社、L'Oréal(ロレアル)の事例です。同社は「ビューティーテック」のリーダーとして、以前からARによるバーチャルメイク試着などを提供してきましたが、新たに生成AIを活用し、一人ひとりに合わせた美容アドバイスを行うサービスを開始しました。 [1, 7]
解決したかった課題
調査によると、消費者の70%が美容製品の選択肢が多すぎて圧倒されていると感じています。 [6] 店舗の専門家から受けるようなアドバイスを、時間や場所を問わずデジタル上で提供し、顧客が自信を持って自分に合った製品を選べるようにすることが求められていました。 [7] また、オンライン購入におけるミスマッチが原因の高い返品率も、ビジネス上の課題となっていました。 [7]
AIをどう使ったか
Microsoft Azure OpenAI Serviceを基盤とした、生成AI搭載の対話型アシスタント「Beauty Genius」を開発しました。 [9] このアシスタントは、生成AI、AR(拡張現実)、コンピュータービジョンを組み合わせています。 [2, 3] ユーザーはチャットで美容に関するあらゆる質問をしたり、スマートフォンのカメラで自分の顔をスキャンして肌診断を受けたりすることで、750以上の製品ラインナップからパーソナライズされた推奨を受け取ることができます。 [3, 6]
導入効果と見るべきポイント
- ▸24時間いつでも専門的なアドバイスを提供できるようになったことで、顧客とのインタラクティブな関係が深まり、エンゲージメントが大幅に向上しました。 [1, 8]
- ▸同社が長年蓄積してきた膨大な美容知識、皮膚科学のデータ、製品情報をAIに集約し、一貫性のある高品質なアドバイスを世界中の顧客へ大規模に提供できる点が最大のポイントです。 [3]
- ▸単なる質問応答に留まらず、顧客一人ひとりの過去の対話や好みを記憶し、長期的な視点で美の目標達成をサポートする「エージェンティックAI」としての進化を目指している点も注目されます。 [6, 13]
日本企業が参考にできること
専門知識を要する商品を多数扱う業界にとって、ロレアルの事例は大きなヒントになります。顧客が抱える「どれを選べばいいかわからない」という普遍的な悩みを、AIを「デジタル上の専門スタッフ」として活用することで解決するアプローチです。これにより顧客満足度を高め、購買体験を向上させ、最終的にはブランドへの信頼を深めることにつながります。
