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AI2026/06/23

Intuit、生成AI基盤で開発を加速。専門家いらずの経営実現へ

金融ソフトウェア大手のIntuitが、自社開発の生成AI基盤「GenOS」を発表。開発効率を高め、会計や税務の専門知識をAIアシスタントとして提供し、中小企業の経営を支援する。

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どの企業の事例か

今回紹介するのは、会計ソフトの「QuickBooks」や税務申告ソフト「TurboTax」、メールマーケティングの「Mailchimp」などを提供する、米国の金融ソフトウェア大手Intuit(イントゥイット)です。同社は、世界約1億人の中小企業や個人事業主、消費者向けにサービスを展開しており、複雑な金融業務をシンプルにすることを目指しています。

解決したかった課題

Intuitの顧客である中小企業の経営者や個人事業主の多くは、会計、税務、マーケティングといった専門知識を十分に持っているわけではありません。日々の業務に追われる中で、キャッシュフローの予測や請求書のリマインド、効果的なマーケティングメールの作成といった課題に直面していました。 一方で、Intuitの開発者側も、複数の製品にわたって、安全かつ責任ある形で、一貫した生成AI体験を迅速に提供するための共通基盤を必要としていました。

AIをどう使ったか

Intuitは、この課題を解決するために、自社独自の生成AIオペレーティングシステム「GenOS (Generative AI Operating System)」を開発しました。 これは、Intuitの全製品にわたるAI開発を加速させるための共通基盤です。GenOSは、複数の汎用大規模言語モデル(LLM)と、金融データでカスタムトレーニングされた独自の「金融LLM」を使い分けることができます。 これにより、一般的なLLMと比較して、会計ワークフローにおける精度を向上させつつ、応答速度を50%削減することに成功しています。 各製品に組み込まれたAIアシスタント「Intuit Assist」は、このGenOS上で動作し、ユーザーの状況に応じたパーソナライズされた提案や業務の自動化を実現しています。

導入効果と見るべきポイント

  • **開発スピードの向上:** GenOSという共通基盤により、数千人の開発者が迅速にAI関連の実験と実装を行えるようになりました。
  • **ドメイン特化による高精度化:** 汎用LLMだけでなく、金融データに特化した独自の金融LLMを開発・活用することで、専門的なタスクにおいて高い精度と性能を実現しました。
  • **製品体験の向上:** QuickBooksでは請求書作成や支払いリマインダーを自動化し、MailchimpではAIがマーケティングメールの文面やデザインを生成するなど、ユーザーが専門家のように振る舞えるよう支援しています。
  • **AIと専門家の連携:** AIが対応しきれない複雑な問題に対しては、シームレスに人間の専門家(税理士や会計士など)に繋ぐ「expert-in-the-loop」の仕組みも用意し、ユーザーに安心感を提供しています。

日本企業が参考にできること

Intuitの事例は、単に外部のAIサービスを利用するだけでなく、自社の強みである「データ」と「専門知識(ドメイン知識)」を活かして、独自のAI基盤を構築する重要性を示しています。全ての企業がOSレベルから開発する必要はありませんが、「自社のビジネスに特化したAIモデルやプロンプトのライブラリを作る」「複数のAIモデルを適材適所で使い分けるプラットフォーム的思考を持つ」といった点は、多くの企業で参考にできるでしょう。AIを単なる効率化ツールとしてではなく、製品やサービスの中核に組み込み、顧客に新たな価値を提供するという戦略は、業界を問わず応用可能な考え方です。

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