[読書感想]金持ち父さん貧乏父さんから学ベる多くのこと

「金持ち父さん貧乏父さん」の本を最初に読んだのはかれこれ20年くらい前になるんでしょうか。
そう思うと私も大分歳をとり、当時20代の頃を思い出して懐かしい感じがします。
家になぜか私が持っていたものとは違う「金持ち父さん貧乏父さん」が置いてあったのでまた読み返してみることにしました。

同じ本を読んでも、年齢や背景によって大分感じ方が変わるのだなぁとつくづく思いました。
多分同じ本を読んでも違う感じ方をするかたもいると思うし、私の感じ方は本筋からはもしかしたら全然関係ないことを学んでいたりすのかもしれないと思って、感想文など書いてみようと思いました。

最初の序文で一番大切なことが述べられていると感じます。

「頭の中の考えがその人の人生を作る」

まさしくその通りだなと思います。結局何をするにしても自分の行動の結果でしかないのですから。

第一の教え・金持ちはお金のために働かない

時給10セントで毎週土曜日に働く話から始まるのですが、この話はとても良い比喩だなと思いました。
多かれ少なかれ今の私も含めて大部分の人はこの少年時代のロバートの体験と同じ状況にあると思います。
その状況から抜け出すために、良い給料のところに転職したり、不平不満を漏らしながらも仕事をしていたり。
しかし、本書ではそうなってはいけないということをまず教えてくれています。

人生につつきまわされた時

お金の話に入る前に「ものの見方」「考え方」に関して述べられています。
「人生につつきまわされた時」とは人生に何か問題が発生した時とかって私は解釈してます。
その時にどのように行動するか、どのように考えるのが大事なのか。
例として3パターン挙げられています。

  • 何もしない人
    一生安全なことだけをやり続ける人、危険を犯すことを恐れている人
  • 問題を他人のせいにする人
    仕事や上司のせいにする人、自分自身ではなく他の誰かを変えようとする人
  • 人生から教訓を学び先に進む人
    自分自身を変えようとする人、何かを学んでより賢くなろうとする人

もちろん大事なのは「人生から教訓を学び先に進む」ことです。
自分自身を変える方が他人を変えようと頑張るよりも簡単なことだと述べています。
自分を振り返ってみても、耳が痛い言葉ですね。

原因は自分の恐怖、そして欲望

なぜみんなお金を働かせる方法を学ばずに、お金のために働いてしまうのか?
その理由は「恐怖」であると語られています。
具体的には、お金が足りなくなる、やり直したら失敗する、首になるなどなど。
先ほどの人生の問題、お金の問題が、例えば良い仕事に転職したり、昇給したりで解決するかというと解決しないと書かれています。
なぜか?
根本的な理由は「自分の恐怖」だからです。

そして欲望もです。「もっとお金があったら」という感情に任せてラットレースを続けてしまうと書いてあります。
ラットレースは「朝起きる」「仕事をする」「支払う」という一連の流れのことですね。
自分の本当の気持ちをみつめ、考えることをせずに、ただ恐怖と欲望によって反応だけすると書いています。

『いつか恐怖がなくなることを願いながら仕事をしてお金を稼ぐ、それでも恐怖がなくならないから仕事をしてお金を稼ぐ』

今本書の感想を書いている自分もまぁラットレースですよね。普通に会社員ですから。
若い時はそうならないと思っていましたが、どっぷりハマってますね。

自分のためになるように心と感情をコントロールする

恐怖や欲望といった感情に、ただただ反応するのではなく、それを観察して考える人間になろうと書かれています。
自分の行動や思考を支配しているのが感情ということを理解した上で、それに対して考えることが必要ということですね。なかなか深いです。今までの習慣を急に変えることができないのと一緒で、上記のように考えるのも意識的に考えるようにしないとですね。

無知が感情と欲望を大きくする

『たいていの人は恐怖や欲望といっった感情がいったいどこへ自分を連れていこうとしているのかほとんど考えもせずに、ただ感情に突き動かされるまま高い給料、昇給、安定した仕事を求めて一生を過ごす』
感情に関するまとめですね。
この恐怖や欲望がお金があったら解決するという幻想、実際はお金があっても解決しないものです。
根本原因を考えもせずにただ感情に反応していると陥る罠と書いてます。
その恐怖や欲望をコントロールするために、「お金の知識が必要」と書かれています。
これは私自身の個人的意見ですが、本の趣旨を説明する序文として急にお金の話になったなと思ってしまいました。
ただ、中身には納得。お金について学ぶことは決して無駄ではないと思います。
この第一の教えの

『お金持ちはお金のために働かない』

というのが「お金を働かせる」と解釈されてしまうのはこの序章の最後のストーリー、子供が自分たちでビジネスを起こすところがあるからなのではないかと思っています。
自分の中ではまぁ、頭を使ってお金を働かせる方法を考えるといったことも大事だと思うのですが、ここではむしろ感情のコントロールに焦点が当てられている章ではないかと感じました。
例文もたくさん出ているので是非是非、原文(翻訳?)を読んでみてください。

第二の教え:お金の流れの読み方を学ぶ

第二の教えに入る前の冒頭で「1920年代の金持ち」の話が出てきます。時を経て彼らの歴史をみてみるとその人生の末路は決して明るいものではなかったようです。彼らが本当にこの本で語られるような知識がなかったのか、それともファイナンシャルリテラシーや第一の教えのような考え方は持っていたけれども、そのような結果になってしまったのかは分かりません。ちょっと趣深いエピソードですね。機会があったら個々人について調べてみよう。
私は個人事業主としての経歴も長いので、簡単な簿記とかは青色申告できるように身につけています。なので、この章の話はすんなり頭に入ってきました。損益計算書と貸借対照表をもとに「資産とは何か」「負債とは何か」について説明してくれます。
この本の考え方にはとても納得させられます。中流階級(会社からお金をもらっている)で給料が上がったにもかかわらず、一向にお金に余裕ができない理由が述べられています。やはりファイナンシャルリテラシーの欠如が原因という結論になるのですが。

資産と負債を本書の中では簡潔にまとめています。

資産は私のポケットにお金を入れてくれる

負債は私のポケットからお金をとっていく

上記のことを説明するのに、持ち家を買うことが例に挙げられています。ここはこの章の面白みなのでぜひ本を読んでいただきたいですが、結論からいうと「持ち家を買う」ということが大体の場合「負債」に該当するということです。若い時に読んだ時は実はあまりピンときていなかったのですが、今思うと単純ですがとても大事な考え方です。

固定資産税も払うし「資産」って勘定されるから、持ち家は「資産」ではないのか?
資産となる持ち家も存在するかもしれませんが、ここでいう中流階級の方々はローンを組んで購入する前提なのです。なので、改めて貸借対照表と損益計算書をみると確かに、持ち家は支出しか生み出していないのです。

何に対してお金を使うか(投資するか)という考え方をした場合、生活で必ずかかる費用を除いたらお金は「資産」を積み上げるのに使うのがベストということですね。

自分自身の話になりますが、これが良いとか悪いとかは分かりませんがこんな感じで実行しています。
月の収入の10%を預金。
月の収入の10%を投資資金。
人によっては預金は要らなくない?と言われるのですが、私の性格からかお金に余裕がなくなると、落ち着きがなくなるので預金します。第一の教えでいうところの恐怖に駆られているからかもしれませんが。私的にはプラスになっていると思っています。

金持ちは資産を買う

貸借対照表の資産が生み出す収入が、負債が生み出す支出を上回っていたらどうでしょうか?
その時初めて、仕事をしなくても生きていけるお金を手にしていることになりますね?

中流の人は資産と思って負債を買う

いや本当に家計を考えるとこうなっているケースは多そうですね。でも今現在金持ちではない私たちが買える資産って何があるんでしょうね?
本では著作権収入とかも資産として上がっていますが、一朝一夕には手に入るものでは無いような気がします。でも考えることが大事かとアンテナ立てておこうと思います。
あとは、「株」とかですかね?持ち株は資産になり、配当が収入になります。不動産経営とかも最近はやっているようですね。成功した人、失敗した人色々ですが。
今だとアプリ開発とかで広告収入とか課金代金とかそいうのも資産として考えて良さそうですね。
ちょっと頑張って何か作ろうと思います。
忘れていましたが、動画配信(youtube)とかも見てくれるたびにお金が入ってくるという点、資産形成に数えても良いのかもしれないですね。

第三の教え:自分のビジネスを持つ

次の第三の教えは、私にとってはなかなかハードルを超えられない物です。今まで自分で立ち上げたり、立ち上げに関わった事業は鳴かず飛ばずで終わっているからです。それでもやはり自分で開拓していかないといけないとこの本を読んで痛感します。
書の中では、いろいろな具体例が挙げられているが、冒頭のマクドナルドの経営者の逸話はなかなか。創業者のレイが『私のビジネスはなんだと思うかい?』という質問をするのですが。もちろん答えは飲食業のオーナーではありません。
この話題に始まり「ビジネスとは何か?」について説明されます。

現代の教育システムが簡単にまとめると「良い成績をとって安定した仕事につくための教育」と述べられています。まぁ、どう考えるかは人それぞれだと思いますが、日本の教育のあり方も同じような印象を受けます。
ビジネスを考えるときに自分の今の職業をあげる人がいると書いていますが、このような言葉の取り方をする人がいるんですね。
例えで上がっているのは「銀行マン」の話です。職業として誰かに雇われてやっている仕事のことをビジネスとは言わないと書いています。そりゃそうですよね。

自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス

持たなければならないビジネスは、見出しの通りです。この時社長は?とふと思いました。社長もいろいろあると思いますが、雇われ社長は自分のビジネスを持っているとは言えないということですね。あとは自分が陣頭に立たないと成り立たない事業とかもだめでしょうか。
会社で言えば株主といったところでしょうか。
本書で、自分が持たなければならない本当の資産を箇条書きで書いているのでまとめます。

本当の資産

  • 自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス
  • 債権
  • 収入を生む不動産
  • 手形・借用書
  • 音楽、書籍などの著作権・特許権
  • その他、価値のあるもの、収入を生み出すもの、市場価値のある物品など

では、会社を起こして起業するのが良いのか?金持ち父さん貧乏父さんの中では、会社を起こすことを薦めていません。
会社の運営には、苦労が伴い誰にでも薦められないと書いています。仕事が見つからなくて自分で会社を起こすことが唯一の解決法みたいな閃きもあるかと思います。しかし、そんなケースの時はすぐに潰れてしまうのが落ちだと書いています。
『自分のビジネスを持つ=会社を起業する』では無いんです。なんとなく、最初読んだ時は、ここの部分を勘違いして読んだかもしれません。読んだけれども頭に入っていなかったのか。

それでは自分のビジネスを持つとは?

本当の意味での資産を増やし、それを維持することを意味している

私のような会社に勤めている人に、今の仕事を勤めながら資産を蓄えることを強く薦めています。約20年前読んだんだけどな。今私が持っている資産はほぼ0です。これからはしっかりと資産を築いていこうと改めて思いました。
余分なお金ができたら贅沢せずに、資産に回そう。

第四の教え:会社を作って節税する

今回は節税についてのお話ですね。話としてアメリカ税法がどのようにして成立していったのかが簡単に述べられています。日本はどうなんでしょう?アメリカの真似をしてるだけなのか、それとも独自の歴史があったりするのか。ちょっと興味を惹かれます。税金は当たり前のように、払っているわけですが、実際払ってる金額を計算してみると結構な額だなと思いました。所得税・消費税が私たちが支払うメインの税金でしょうか。持ち家を持っている人であれば固定資産税とかも。この本を読んだら身に付くというわけでは無いですが、税法を学ぶことで、上手に節税しましょうってことですね。
歴史的な話が綴られている中で、私が面白いと思ったのは、大航海時代の話です。
航海をするために、会社をつくり、その会社にお金を出すことでリスクヘッジをしようという考え方ですね。
航海が失敗しても、その会社に大して支払った金額だけなくなるという寸法です。これは今の株式会社の仕組みを簡単に説明しているんだと思います。
世の中会社は毎年できては倒産を繰り返しています。がやはり会社に投資する投資家がいることを考えると株式会社というのは、投資のリスクを考えてのものなのだなぁと思います。ちなみに2019年の会社の倒産件数(負債総額1,000万円以上)は、8,383件。
→参考 東京商工リサーチ

上記のように考えるとお金を持って投資している人は、大航海時代から変わらず同じ仕組みでやっているってことですよね。何か次世代の会社につぐ仕組みってできていないんですね。細部は変わっているかと思いますが。

ファイナンシャル インテリジェンス

ファイナンシャルIQとも言っています。それは下記4つの知識を軸に成り立っているそうです。

  • 会計力・・・財務諸表を読んで理解できる
  • 投資力・・・戦略と方式・創造力
  • 市場の理解力・・・投資に関する基本的状況・経済的側面・人為的側面
  • 法律力・・・資産を大幅に増やすのに役立つ

ものすごく雑に補足を入れてしまいましたが、詳しくは本書の中で述べられていますが、これらの知識が大切だということです。私には、ごく僅かな会計の知識があるだけで、あとはさっぱりだなぁと思いました。投資力とか言われても何をどうしたら良いのかさっぱりです。市場の理解力は新鮮な情報をえる手段やその情報の活用方法といった感じでしょうか?
私には情報源はネットぐらいです。法律力も全くと言って良いほど詳しく無いですね。これは先は長そうです。

最後のまとめとして会社を持つメリットを上げてくれています。

有利な税金対策

訴訟から自分を守る

訴訟から自分を守るというのはアメリカならではという感じですが、日本も近い将来アメリカのようになるかもしれません。

第五の教え:金持ちはお金を作り出す

度胸が大切という話で始まる第五の教えです。いろいろな例え話を交えて話が進んでいきます。この章は著者自身の体験談も多いですね。45歳の工場長が解雇される話がなかなか興味をそそられます。会社に不当だと訴えるニュースの話ですね。
ビジネスを始めるのもリスクがあり、大多数の人が安全と考えている会社勤めも結局はその会社のビジネスが失敗したら、同様に安全、安定のノーリスクという訳では無い。ということを感じさせてくれます。
著者がたくさんの人を教えてきた際に、ある共通点に気がつきます。

すべての人が大きな才能を内に秘めていること

それが、発揮されないのは何故なのか?
それは自信の無さだと結論づけています。確かに私もそう思います。最初の章から述べられている「恐怖」とも通じるところがありますね。私の場合はいつの頃からか、新しいことにチャレンジすること億劫になっていました。アマゾンプライムでみるのも、見たことが無いドラマではなくて、過去にみた作品ばかり見たり。
成功するケースが多いのは、頭がいい人よりも「度胸がある人」と書いています。

本文では、実際にどうやって著者が不動産売買でお金を得たのかを語ってくれています。自分自身にお金が無くてもこうやってできたんだよという話です。私に実際同じことをやれと言われても無理でしょうが、本書では次のことが大事だと書かれています。

選択肢を増やすこと

現在経済的な苦境に悩む人の中には、昔の考え方に固執してしまっているのが原因の人がたくさんいる。過去の良い時代の記憶が忘れられない人ですね。なんか最近この手の話をよく耳にします。日本の企業の話ですが、やはり過去の成功体験が原因で、そのやり方に固執してしまうあまり、新しいこと、方法に着手できず、業績不審に陥っている話題ですね。
キャッシュフローゲームという例をあげ、様々な状況に対してたくさんの選択肢を持つことが大事だと書いています。
「お金に対して問題が起きた時に、解決法としていろいろな選択肢を思いつく」
「数字を理解していて、お金に関して創造的な考え方ができる人」
上記のような人が、お金持ちには多いと述べられています。

逆にお金がたくさんあったとしても、上記のような考えに至らず、成功をおさめられない人がたくさんいると書いています。
実際にそうなのかもしれません。私を振り返ってみると、私は小金しか持ったことはありませんが、お金の使い先はそれほど選択肢が多い訳ではありません。ここでいうところの選択肢はとても限られている状態だと感じました。

上記の選択肢を広げる上で大事なのが、前の章でも述べられていた「ファイナンシャルインテリジェンス」ですね。
ファイナンシャルインテリジェンスを高めることで、上記選択肢の発想がふくらむと書かれています。

お金は実際には存在しない

これれの意味はとても深いと思います。文面では「これがお金だってみんなが決めたもの」と書かれていますが、この考え方はとても大事です。
この発想の例が著者の体験談として語られていますが、なるほどと感心させられます。どうやってお金が無いところから取引をしていくかという例です。これが「お金は実際には存在しない」ということがどういうことかわからせてくれます。
昔読んだ時は、ここまで深く考えられなかったです。
ここでも、やはり大事になるのが「ファイナンシャルインテリジェンス」です。

お金持ちはお金を作り出す

ファイナンシャルインテリジェンスを高めることで、可能になる様々な投資の例が挙げられています。投資家には主に二つのタイプがあると書かれています。
一つ目は、パッケージ化された投資を買う人たち。投資信託とかそういうものを好んで買う人たちです。
二つ目は、投資を自分たちで作り出す人たち。プロの投資家と呼ばれる人はこの二番目の人たちのことです。
ではどういう投資家なのか。次のような能力を持っている人と書いています。

  • 他の人が見過ごすチャンスを見つける能力
  • 資金を集める能力
  • 頭のいい人を集めて組織する能力

ここにいたる、基礎となるものがファイナンシャルインテリジェンスということですね。この章で必要だと書かれていることの大半は私には備わっていないと感じました。なかなか先は長そうですね。

第六の教え・お金のためではなく学ぶために働く

第六の教えは、学ぶことの大切さが話の軸になっています。ベストセラー作家になりたいという女性ライターの話から始まります。女性ライターは文章を書く才能があるのに、売れないという悩みを持っています。それに対して、著者はセールスを学ぶことを進めますが。女性ライターは聞く耳を持たないという展開です。
日本のドラマでもよくあるあれです。料理の腕がいい店主だがお店が流行らないみたいな。女性ライターはセールスを学ぶことに激しい抵抗を示します。こういう人は実際には多いのかもしれないですね。
「広く浅く学ぶこと」を本書では進めています。著者の職歴を語りながら、何を学ぶ目的でその仕事に従事していたか書いています。「いくらもらえるか」ではなく「何を学べるか」が、大切だと書かれています。確かにそうだなぁと思います。自分の職歴は転職も多くて、また、業種や職種も様々な職についています。今はエンジニアですが、ITとは関係が無い営業やマーケティングなどもやってきました。確かに仕事を通じて学ぶ知識は多いですね。
結果的に広く浅くになってしまっている私自身を、就職という観点で見てみます。確かに本書で書かれている通り、「会社勤め」にはある分野の専門家が重宝されるようですね。

「いま毎日やっていることの行き着く先はどこですか?」

この章で私が一番印象に残ったフレーズです。作者はお金をもっと儲けたい人へのアドバイスとして、次のように述べています。
「お金と安心は確かに重要だ。〜だがお金を儲けたいなら、ただお金と安心のために働くのではだめだ。〜新しい技術を学べるような別の仕事もしてみることを勧める」
冒頭のライターもそうだが、自分の興味があることしか学びたく無いという人は多いかもしれないですね。前に述べたように自分もまた、新しいことになかなか取り組めなくなっています。これは、改善すべき点ですね。

基本はコミュニケーション能力

技術の中で大切なのは、セールスとマーケティングだと述べられています。その根幹にあるのがコミュニケーション能力ですね。自分自身はどうでしょうか。営業もやったことがありますが、営業トークはあまり上手にはなりませんでしたが、コミュニケーションは得意になりました。今思いかえせば、今では考えられないような人脈が私がフリーで仕事をしていた時にはあったと思います。NPOのイベントで電通の屋上から鷹を飛ばしたりなかなかできない体験をさせてくれる人脈がありました。
自分のビジネスを持たなくなってからはすっかり人とも合わなくなり、繋がりも途絶えてしまっています。これからまた以前のように人脈を構築していきたいですね。
最後に述べられていることで私も共感できる考えがあります。

「まず与えて、次にもらう」

これに対して論理的な解説はここではされていないのですが、私の体験からも、上記はとても大事な考え方だと感じました。最近、インプットとかアウトプットとかいう言葉で表現されるものにも通じるでしょうか。

まず五つの障害を乗り越えよう

金持ち父さん貧乏父さんの6つの教えに対して感想を書いてきました。自分のインプットの確認のために書いているのが一番の目的です。今度は実践の書ですね。こちらは、実際にどのようにしたのか、友人の例など交えながら解説されています。実践の書を通じて、一番印象に残ったのは「暖炉に薪をくべる話」です。前回最後にちらりと紹介されていた「与えること」の大切さが、わかりやすい例え話です。あとで紹介しますが、まだ読まれていない方は是非本書を読むことをおすすめします。

第一の障害:お金を失うことに対する恐怖心

これは「損をすること」や「失敗すること」への恐怖心から行動できなくなってしまう。と、私は理解しました。また、大事なのは失敗から学ぶこと、失敗をバネにすることだと書かれています。自分としては若い頃から30代前半までの試みはほとんどが失敗です。でもいろんなことを学ぶ機会はあったと思っています。それからまた歳を重ねている訳ですが、歳を取ればとるほどこの手の恐怖心は大きくなると感じています。
著書でも若い頃に失敗することを進めています。なんの縁かわからないですが、ふと家に置いてあったこの改訂版をよんでまたコツコツ行動しようと思います。そして、バランスの取れた安全策よりも一点集中することを勧めています。安全策を否定している訳では無いですが、時間がかかると書かれています。実際その通りだと思います。また、安全と思っていた投資信託で大損することも決して珍しいことではありません。私の知人は、自分の貯金を銀行員に勧められた投資信託に変えたのですが、暴落し、資産が3分の1になってしまっていました。会社勤めにもリスクがあるように、必ず何かしらリスクは存在すると思います。だから著者の一点集中で勝負するという考え方には共感を覚えます。

第二の障害:悪い方にばかり考えて臆病になる

これは営業をしたことがある人には、経験があるんじゃ無いかと思う例え話が述べられていました。お客さんが商品を契約した後に、周りの人に欠点や弱点を指摘され考え直してしまう。そういったケースの話です。また、買った後に悪い想像しかできず不安が大きくなってしまうことも挙げられています。
結局、周りの人に知識がある訳でもなく、自分にも十分な知識が無いことから上記のような恐れは生まれてくるのかなぁと感じます。経験したことが無いことは、例え普通の海外旅行でも初めての国はドキドキするものです。私は、日本の近くの国やアジアに行くのが好きなのですが、安全に関しては心配されることも少なくありません。投資に関する周りの人の反応も、そういうのと同じ感覚なんだろうなぁと思っています。

「臆病な人は批判し、勝利を収める人は分析する」

分析と書かれていますが、やはり今までの話から、学ぶこと、考えることがとても大事なことなのだなと感じます。

第三の障害:忙しいことを理由に怠ける

これは立ち向かわなければならない問題(経済的問題など)があるにもかかわらず、忙しいからと言って放置してしまうことを言っています。まぁ、わからなくも無いですが、問題には向き合わないと解決しないということですね。
怠け心に対処するには、欲張り心が必要と書かれています。自分がやりたいこと、欲しいものを素直にモチベーションに変えると行った感じでしょうか。欲にはあまり良いイメージを持たない方も多いかもしれません。家族や友人など周りに欲に対してマイナスな感情を持つ人がいる場合、さらに罪悪感を抱くきっかけになってしまいます。

第四の障害:自分への支払いを後回しにする悪い習慣

これはお金の使い道ですね。自分への支払いとは、資産や学びに対する投資です。そういうことにお金を使わないで、他のものに使ってしまい、結局自分への支払いをしていない人がほとんどだと書かれています。
これは私にも当てはまりますね。学びに対して投資する方ですが、資産は0なので。習慣を変える必要があります。

第五の障害:無知を隠すために傲慢になる

知らないことが出てきたときに知ったかぶりをしないことが大切だというふうに受け取りました。知らないことに対して、専門家を探したり本を読んだり学ぶことが大切だと述べられています。

ここまで5つの障害について考えてみましたが、実際に普通に働いていると上記のような障害に全て引っかかっているなぁと感じました。改めて考えてみて行動から変えていこうと思います。

スタートを切るための十のステップ

著者はお金に関する才能は誰もが持っていると書いています。それでは実際にお金に関する才能はどのようにして開花するのか。90%の人が一生懸命働いてお金を稼ぐ、お金が足りなければ借りる。そのような考え方をしているそうです。
著者が才能を開花させるための十のステップを紹介します。

1,強い目的意識を持つ:精神の力

「やりたくないこと」「やりたいこと」をはっきりさせる。そのことが、お金持ちになりたい理由になると書かれています。
この「理由」がはっきりしていないと、現実的な障害に負けてしまう。
自分は、若い頃に「フランクリン手帳」というものの使い方を教わりました。今こそ様々なシステム手帳や手帳術の本が出ていますが当時はそれほど多くありませんでした。人生の目標、夢、日課の管理にはとても素晴らしいシステム手帳です。

参考→7つの習慣 入門手帳2021 (日本語)

フランクリン手帳もなんだかいろいろ変わっていました。複雑化してしまったように感じます。私は今でも使っていますが昔のままのやり方で使っていますね。手帳の中身はほとんど変わっていないようです。

2,毎日自分で道を選ぶ:選択する力

自分のお金と時間をどう使うか、何を学ぶか。これが選択する力だと書かれています。
ふと昔、受験のときだったか同じような感覚を味わいました。大学に合格するという目標があるとします。
家に帰ってから「TVをみる」のと「今日の復習をする」どちらが目標を達成する確率が上がりますか?
みたいな話だったと思います。この話と同様の話かなぁと感じました。
著者はそのような選択をするときに、目標とする人物だったらどうするか?という考え方をしていたそうです。

3,友人を慎重に選ぶ:協力の力

友人から何を学べるか、情報交換できるか。自分の目標に対して否定的な友人もいるかもしれないが、どのように付き合うかは選択しようということでしょうか。
私はそもそも友人が少ないですね。知人はたくさんいますが。大事なのは新鮮な情報であり、それは人との情報交換でしか得られないと書いています。私もそう思います。WEBが発達した今でも、逆に情報がありすぎて「真偽」がわかりにくくなってしまっていたりします。私はとりあえずは、友人を増やす努力をしてみます。

4,新しいやり方を次々と仕入れる:速習の力

今やっていることで、思い通りの成果が上がらない場合に、新しいやり方を学んで方法を変えていかなければならないと書かれています。私はエンジニアですが、昔の知識が役に立たないとは言いませんが、時代遅れの知識も数多くあります。
前文でも書いた、ある企業の話を思いましました。成功体験からなかなか、やり方を変えられない。その結果、苦境に立たされるという話です。より速く次の方法を見つけ、学ぶことを心がけたいと思います。

5,自分に対する支払いをまず済ませる:自制の力

お金をより多くのお金を生み出すために使えるかということですね。
金持ち父さんの教えの中にも、お金を資産や学ぶために使うということが書かれていました。

6,ブローカーにたっぷり払う:忠告の力

ブローカーにもいろいろあり、単なるセールスマンの人も多いそうです。有能な知識を持っている、自分より知識がある人に対して十分な報酬を払おうと書かれています。大事なのは顧客の利益を最大にすることを常に心がけるブローカーを探すことだと書かれています。

7,元では必ず取り戻す:ただで何かを手に入れる力

マクドナルドの話が再び例として挙げられています。フランチャイズのお店の契約で、出店する場所の不動産を手に入れる話です。
いくつか例が語られていますが、わかりやすいのは株の話でしょうか。株が上がった際に、元金分売却し残りは保有したままにするということです。このような考え方もファイナンシャルインテリジェンスとして大事だと書かれています。

8,贅沢品は資産に買わせる:焦点を絞ることの力

無駄遣いとか贅沢とかしたい場合の話ですね。借金してまでやらないというのが大事だと理解しました。また、資産を作ることでお金を生み出す方にお金を使うというのも、金持ち父さんの教えの中から学んだことですね。

9,ヒーローを持つ:神話の力

これは自分が成し遂げたいことを実際に実現している人を見本にしようということですね。自分だと誰になるんだろう。あまり考えたことはなかったですが、見つけたいと思います。

10,教えよさらば与えられん:与えることの力

前回、自分が一番印象に残ったと言った「ストーブの話」が例として述べられているところです。
ストーブの前に薪を持って座った男が、「俺を温めてくれたら、薪をくべてやるよ」という話。思わず笑ってしまいましたが、こと「まず与える」ということを端的に説明している良い話だなと思いました。
実際のところ、同じようなことをしているケースは多いと感じました。自分も改めないといけないと強く感じました。

実践の書は第三まであるのですが、感想はここまでにしたいと思います。実際にどうやるのかという例をあげて説明されています。
じっとしていないで行動するとまとめられていますが、これが全てかなぁと感じました。
本を読んでもやはり実践しなければ何も身につかないと思っています。
2020年6月にこの読書感想文を書きました。来年また読み返して、自分がどのように変わったか、または変わらなかったかを書いたら面白いと思いました。