どの企業の事例か
ボーダフォンは、ヨーロッパ最大級のモバイルおよび固定ネットワーク事業者です。 世界中の数億人の顧客と多くの従業員を抱え、人事部門やカスタマーサポート部門には日々膨大な量の問い合わせが寄せられていました。
解決したかった課題
従業員や顧客は、休暇申請、料金プランの確認、各種手続きといった単純な質問に対する回答を得るために、サポート担当者につながるまで待つ必要がありました。 一方、サポート担当者は、反復的な問い合わせ対応に多くの時間を費やしており、より複雑で付加価値の高い業務に集中できないという課題を抱えていました。 同社は、デジタル技術を用いてこれらの体験を改善し、迅速かつ効率的な情報提供を目指していました。
AIをどう使ったか
Vodafoneは従来のチャットボットTOBiを発展させ、Azure OpenAIを使うSuperTOBiを欧州で展開しています。SuperTOBiはキーワードだけでなく文章全体を解釈し、より複雑な顧客問い合わせへ回答します。答えられない場合は人の担当者へ引き継ぎます。従業員向けには、社内ナレッジから回答を探すSuperAgentも別に提供しています。
予想アーキテクチャ
以下は公開情報と一般的な構成から推定した予想アーキテクチャです。基盤技術の変遷(IBM Watson AssistantからAzure OpenAI基盤のSuperTOBiへ)は公開発表で確認できますが、社内システムとの連携方式など内部構成の詳細は推定を含み、断定するものではありません。
- ▸確認済み: SuperTOBiは顧客が入力した文章を解釈し、問い合わせへ会話形式で回答します。
- ▸確認済み: 基盤にMicrosoft Azure OpenAIを使い、イタリアとポルトガルから展開が始まりました。
- ▸確認済み: 解決できない質問は人の担当者へ引き継ぎます。SuperAgentは担当者の検索を支援します。
- ▸推定: CRMや人事システムとのAPI、保存期間、対話ログによる再学習、監視ダッシュボードの詳細は公開発表から確定できません。
導入効果と見るべきポイント
- ▸Vodafone Portugalでは、SuperTOBi導入後、予約に関する初回解決率が15%から60%へ上がったとVodafoneが公表しています。
- ▸同じ発表では、オンラインNPSが14ポイント上がり64になったとされています。これはポルトガルの対象業務での結果です。
- ▸SuperTOBiが答えられない質問は人の担当者へ引き継ぎ、SuperAgentは担当者の情報検索を支援します。
- ▸他国や他の問い合わせでも同じ効果になるとは限らず、対象業務ごとの検証が必要です。
日本企業が参考にできること
ボーダフォンの事例は、大企業だけでなく、多くの中小企業にとっても示唆に富んでいます。人事、総務、ITヘルプデスクなど、社内に定型的な問い合わせが多い部門は、AIチャットボット導入の有力な候補です。最初は特定の領域のFAQ対応からスモールスタートし、対話データを蓄積しながら徐々に対応範囲を広げていくアプローチが現実的です。これにより、業務効率化と従業員満足度の向上を両立させることが可能になります。
