OpenAI、社内モデルでナビエ–ストークス方程式のミレニアム懸賞問題を解いたと発表
GPT-6 Astraより大幅に強い社内モデルを使ったエージェント群が、滑らかな初期状態の流体が有限時間で特異点を生じうることの証明とLeanによる形式化を出したとOpenAIが公表した。
2026年9月8日の発表(9月10日に追記)によると、証明は外力を加えた3次元非圧縮流体が静止状態から有限時間で特異点を生じることを示すもので、Millennium Prizeの公式な定式化における記述「C」(および「D」)を確立するとしている。使ったのは8月28日から訓練中の社内モデルで、同社はGPT-6 Astraより大幅に高性能と説明する。約1万の並列エージェントからなるグループが解に到達し、最初のエージェント起動から約88時間後の9月5日に結論を得て、Leanでの形式化と検証にGPT-6 Astraでさらに17時間を要した。全問題を通じたメッセージは490万件、出力トークンは約3,000億。過程で粘性項を除いたEuler方程式の外力なし版も解いたとしている。同時期にAnthropic社員のLevent AlpögeとNYUのTristan Buckmasterが外力ありのEuler方程式の結果を出しており、OpenAIは9月10日の追記でBuckmasterの過去2か月のCodexへのプロンプトが結果に影響しえなかったことを調査で確認したと書いている。OpenAIは懸賞金を請求しないと明記した。
これはOpenAI自身の主張であり、この発表だけで数学界の受容が確認できるわけではない。Clay数学研究所の規定では、解決案が賞の検討対象になるには所定の媒体での公表、公表から2年の経過、数学界での一般的な受容の3条件が要る。Lean形式化は第三者が機械的に検証できる材料なので、今後はその検証結果も確認したい。運用上の意味は、公開していないAstra超えの社内モデルの存在と、約1万並列のエージェント運用をOpenAIが自ら開示した点にある。次の公開モデルの水準を読むときの基準点になる。
